小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

怒涛。 101

先週、怒涛の一週間が終わった。

新学期が始まってからの子どもたちは、

それはそれは、とても張り切っている。

学習には意欲的だし、

クラスの仕事だってどんどん自分からやってくれる。

誰だって頑張りたいし、

いいスタートを切りたいと思っている。

それが、子どもたちを張り切らせている。

それは、一種の興奮状態に近い。

アドレナリンが出てて、疲れ知らず。

でも、それはずっとは続かない。

オーバーペースはどこかで歪を生む。

その歪は、確実に本人にのしかかる。

 

だから、今の子どもたちの頑張りは、

本当であって本当でない。

そこに気付かず、そのペースを、

「すごいいいスタートが切れたぞ!」と認識していると、

思わぬ落とし穴に陥ることにつながる。

 

一年間は始まったばかり。

肩の力を抜いて、ペース配分を考えて、

一つずつ進んでいけばいい。

 

 

…そう、子どもたちに4月から話をしておきながら、

当の自分がオーバーペース…。

まったく情けない。

参観や出張などが重なったのが大きいが、

それだけではない。

いいスタートを切りたかったのは、

子どもたちだけではなかった。

いや、子どもたちよりも誰よりも

自分が一番願っていたんだ。

だから、あれもこれもと欲張った。

子どもたちも面白いアイデアを次々に出すから、

自分もワクワクして、実現させたくて、

あれこれ動いていたら、オーバーペースにはまっていた。

 

仕事がほどよいペースで進んでいないから、

プライベートが満喫できないのか、

プライベートがうまく満喫できないから、

仕事がうまく進まないのか。

 

ニワトリが先か、卵が先か、みたいだなと思う。

でもきっとそのどちらもだ。

前輪だけでも後輪だけでも車は進めない。

卵がなくてもニワトリがいなくても、新しい命は生まれない。

 

一体何度こういう失敗を繰り返すのか、

自分で自分が嫌になる。

それでも失敗から立ち上がって、

修正していくしかない。

 

人生って難しいな。

でも楽しいな。

これでこそ生きがいがあるってもんだ。

やりたいことがありすぎる。

それは幸せなことだ。

でも、あれもこれもと一度に欲張ると、

不幸になってしまう。

一個ずつやろう。

少しずつ進めればいいじゃないか。

誰もとがめはしない。

ペースを保とう。

メタ的な視点を忘れないようにしよう。

こうして、ちょくちょく自分をふり返ろう。

そして、軌道修正していこう。

大丈夫、少しずつでも、

まちがっても、

進んでる。

SLOW DAYS。 100

今日は、お昼前から奥さんとお出かけした。

目的地は、服部緑地野外音楽堂

「SLOW DAYS」に行ってきた。

一日雨予報だったので、

雨対策をばっちりして向かった。

お目当ては、

中村佳穂BAND、

CHAI、

UA、

Yogee New Waves。

 

UA以外は、今日が初めて。

今年になって初めてのフェス。

とってもうきうきした気持ちだった。

特に、中村佳穂BANDを生で見られる事実に

とても興奮していた。

 

会場時刻の11時を少し過ぎたあたりで、

野音に到着。

入場して、席を探すと、

最前列の左端に座席を発見。

角度はきついけど、

ステージは良く見えたし、

なにより丸一日の長丁場、

雨がしのげる座席だったので、すぐにそこに決めた。

結果的にこの判断が正しかったことは、

この日一日を過ごしてわかった。

 

トップバッターは、シャムキャッツ

来る前に、車の中で初めて聞いて予習してきた。

まあ、予習と言っても、それはほとんど効果のないものだったが。

それでも、「始めます。」のあいさつも何もなく、

唐突に始まった音楽は、とても心地よかった。

絶妙な脱力感。

ネバヤンやヨギーにも通ずる。

ボーカルの夏目くん、生ビール二つ持って登場して、

そのうちの一つお客さんに渡してた。笑

その辺からもうのこイベントの心地よいゆるさを

体現してて、「ああ、今日は来て正解やったな。」って確信した。

35分は、とても短くて、あっという間だった。

最近、ワンマンしか行ってないから、

余計にそう感じるのかもしれない。

最後までゆる心地い音楽で、

トップバッターとして、

SLOW DAYSのコンセプトをしっかり形にして、

空気感を作って、二番手につないでくれた。

最高のトップバッターだったと思う。

 

二番手は、今日一番のお目当て、中村佳穂BAND。

リハから、ちょっと普通じゃない感じが、

彼女の佇まいからにじみ出ていた。

そして、見た瞬間、今日のベストアクトだと確信させられてしまった。

すごいものを見た。

本当に、何なんだ、この音楽は。

体感しないとわからない。

音源もじっくり聞きこんできたが、

生演奏のグルーヴ感は、異次元だった。

どこまでが曲なのか、間奏なのか、

アドリブなのか、打ち合わせ通りなのか、

シームレスな音楽にどっぷり浸った35分間だった。

あの小さな体から出ているとは思えない多彩な声。

彼女にかかれば、

どんな言葉も、

どんな音も、

音楽になってしまう。

そんな印象。

そして、彼女が紡ぐ言葉が音が、

やがて大きなうねりになり、

体を揺らさずにはいられない。

衝動に身を任せ、ただただ音楽を楽しむ。

至福の時間だった。

彼女自身、誰よりも音楽を楽しんでいて、

その雰囲気が、纏うオーラが、

確実に会場に伝播していった。

最後の最後に、「きっとね!」を披露。

「友だちに見せるなら、撮ってもいいよ!」と、

そのメッセージすらも音楽にしてしまう。

えげつない才能に出くわした、

そんな感動から来る震えが止まらなかった。

 

 

三番手は、CHAI。

以前から気になってて、一度ライブを見てみたいと思っていた。

いやあ、NEOかわいいってのは、ほんまやった。

コンプレックスを「かわいい」と全面的に肯定。

それは、言葉だけじゃなくて、

本当に音楽してる時の姿勢やったりからも感じられてて、

音楽ひっくるめた生きざまが大きな魅力だなと思えるバンドだった。

どこまでも肯定的で、前向きな姿勢に、

とても元気をもらえた。

笑顔になれた。

今日一番笑ったバンド。

 

そして、四番手はUA。

以前に一度、京都音博で観たことがあったが、

貫禄がすごい。

最前列で見てたので、そのオーラは、

音博の比ではなかった。

ドラムとギターだけのミニマムな編成は、

UAの歌声を最大限に際立たせていた。

途中の大阪弁のMCではクスッとしつつも、

曲に入ると、豹変と言う言葉がふさわしいほどの、

変貌を遂げるUA。

少しスモーキーなその歌声は、

雨が降る今日にとても似合っていた。

「虹郎をポーンと産んだ1997年、初めて書いたメッセージソング…」

というMCとともに、

最後に披露してくれた「悲しみジョニー」は、

圧巻だった。

一人で、その場を制圧してしまうような、

圧倒的な力を持った歌声に聞き入った。

 

五番手は、D.A.N。

こちらも初見。

…がしかし、雨が強まってきて、

尋常じゃないぐらい寒い…。

さすがにこのまま、最後までいるのはきつい。

奥さんと話をして、泣く泣くここでリタイア。

まあでも、ヨギーは残念だったけど、

中村佳穂もCHAIもUAも観れたから、満足。

 

明日からの仕事も頑張れそうだ。

またね。またか。 99

12日(金)、職場の歓送迎会があった。

大阪市内のちょっといいホテルの中にあるレストラン。

7時からスタートだったその会に、

ギリギリ滑り込みセーフで間に合った。

最寄駅から道に迷ったこともあるが(重度の方向音痴)、

それよりも職場を出るのが遅くなったのが一番の原因だ。

 

ギリギリまで職場であいさつを考えていた。

私が出るわけではない。

出ていかれた先生のうちの1人への挨拶を考えていたのだ。

これがまあ、悩ましい。

依頼されたのは、先週のはじめ。

それから一週間、バタバタと仕事をしながら、

頭の片隅では、あいさつを考えていた。

 

あいさつ相手の先生は、

同い年で、実は高校・大学と同級生だった。

とはいえ、面識がある程度で、話したこともなかった。

それが、互いに社会人になってから、

こうして同じ職場で働くことになって、

意気投合して仲良くなるのだから、

人との縁というのはつくづく不思議で、

何が起こるか分からない。

 

そうそう、この同い年の先生、

以前ブログにも一度登場したキリン(仮名)。

 

yamanyo.hatenablog.jp

 

これまでも歓送迎会で、

出ていかれた先生にあいさつを述べる役を、

仰せつかったことは何度かあった。

 

けど、今回はこれまでのあいさつとは違って、

難しかった。

近すぎたのだ。

キリンと私の関係が。

今回キリンが異動したからといって、

疎遠になるような仲ではない。

なんなら、ちょこちょこ互いの近況を

LINEして、飲みに行ったりするだろう。

 

そんな仲だからこそ、難しかった。

何を言えばいいだろうか。

どこまで言えばいい?

照れくささもあった。

これは、きっとお互いに。

だから、笑いに走った。

小ボケをあちこちにちりばめた。

その隙間に、ちょっとだけ本音を忍ばせて。

 

同い年のキリンと同勤したのは、丸六年。

気付けば、今の職場で一番付き合いの長い二人になっていた。

思うことはいろいろある。

話したいことはまだまだある。

 

だから、この「さよなら」は、

節目の一区切りだ。

これまでの「ありがとう」と

これからの「よろしく」の二つをこめて、

あいさつをした。

まあまあウケたし、

まあまあ刺さったと思う。

あいさつの後、キリン本人のお墨付きをもらったから、

過信ではないと思う。

 

芯を持っていて、

筋の通らないことが大嫌いで、

頑固。

時にお茶目。

酔っぱらうとうざくて(お前もな)

恥ずかしがりや。

 

ありがとう、キリン。

6年間面白かったわ。

またそのうち、飲みに行こう。

 

 

翌日、私は宿泊学習の下見だった。

朝6時起床。

きつい、睡眠が全然足りてない。

でも、仕事だ。

待ち合わせに遅れるわけにはいかない。

体に鞭を打って、家を出る。

2時間と少しかかって、目的地に到着。

一つ目の施設の入り口を入ろうとしたとき、

後ろから猛烈な勢いで走って、

私たちを抜かして、館内に入ろうとした男がいた。

 

 

 

 

 

キリンだった。

 

 

またか。

昨日の「またね」を返せ。笑

 

やっぱりキリンとはこれからも長い付き合いになりそうだ。

そう確信した。

 

Nulbarich ONE MAN TOUR 2019 -Blank Envelope- at Zepp Osaka Bayside 98

初Nulbarichを見てきた。

場所は、Zepp Osaka Bayside。

仕事を定時で切り上げ、

急いで車に乗り込んで、途中道を間違えながらも、

開演30分前には到着して、スタンバイできた。

中に入ると、心地よいBGMとともに、

レーザーにミラーボールの演出。

開演前って、結構暇を持て余して、

みんなスマホいじってたりするけど、

それがない!!

開演前から、芳醇な音と光の演出を

楽しんだ。

この時点で、きっとこの日のライブは最高だろうなって確信した。

ホスト精神というか、サービス精神が凄まじい。

開演前の演出であんなに楽しめるなんて。

そして、定刻の7時を少し過ぎたころ、ライブ開始。

 

一曲目の「Silent Wonderland」から、

もうため息が出るぐらいかっこよかった。

JQの高音が気持ちよく響き渡る。

ほんま歌うまい。

ほんで音源と全く遜色ないどころか、

ひょっとしたら生、さらに良くないか!?

っていうレベルの高い演奏。

適度なMCをちょこちょこ挟むけど、

くどくない。

さらっと、でも、ユーモアも忘れない。

で、ノンストップでどんどん曲をやってくれた。

 

生で「Sweet and Sour」や「Kiss You Back」、

「ain't on the map yet」、「It's Who We Are」聞けて、

天にも昇る気持ち。

本っ当に気持ち良かった!!

体が自然に動く動く。

仕事の疲れなんて、どこへやら。

アドレナリン出まくりで、

60兆個の全細胞が、今日の疲れを忘れてた。

 

JQの謎の掛け声、

「タコヤキ~!オコノミヤキ~!エコノミーヤンキー!」

には吹いた。

エコノミーヤンキーて 笑。

 

そして、JQの歌声はもちろん、

だけど、それだけじゃない。

ギター、ベース、キーボード、ドラム。

それぞれのソロパートがふんだんにあったのだが、

もうそれがため息が出るほどのかっこよさ。

ソロパートがジャズっぽくて、しびれた。

 

で、何より本当にメンバーがみんな、

心の底から音楽を楽しんでるのが伝わってきた。

その笑顔見てるだけで、もう、ご飯3杯ぐらいいけた。

メンバー同士で、ライブ中顔を見合わせて

ニヤニヤしてんの。

いい意味で、お客さんのこととか、

自分たちの外の世界の雑音に

全く影響されてないというか。

 

「おいっ、そこそんなアドリブいく!?」

「どんだけループすんねんな~!」

みたいな、ライブ中のお茶目を

お互いに楽しんでるような。

でも、それは結局回りまわって(?)

オーディエンスを全く置いてけぼりにしてなくて、

それどころか、それによって、

会場のボルテージはどんどん上がっていった。

本当に体の内側から、

今鳴ってる音に体をゆだねて、

どこまでも踊っていたい衝動が止まらない。

 

最高でした。

こりゃあクセになる。

また行きたいな。

次はいつ行けるかな。

 

明日からの仕事、めっちゃ頑張れそうです。

彼の涙。 97

今日、離任式があった。

昨年までお世話になった先生たちとお別れをする。

今年は、たくさんの先生が抜けた。

どの先生も、今の職場を長年にわたって

支え続けて来てくれた先生たちだ。

 

まず、職員室で、職員だけでお別れのあいさつがある。

この時点で、例年にも増して、しんみりした雰囲気。

あちこちで涙ぐむ先生たち。

私は、努めて明るく振舞った。

さよならだけど、さよならじゃない。

お互いに戦う場所は変わるけど、

子どもたちのために全力を尽くすことは

変わらない。

そんな想いがあった。

ただ、まっすぐに

一人一人の先生の目を見つめて

話を聴いた。

心に刻もうと思った。

 

職員室でのあいさつは、

いつもより少し時間を取ったが、

おおむね予定通りの時刻。

次は、体育館で子どもたちとの離任式。

 

この日、子どもたちはとても静かに離任の先生たちを待った。

静まり返る体育館。

朝の光が、二階の窓から柔らかく差し込む。

300人以上いるとは思えない静けさだった。

その静けさが何よりも、お世話になった先生たちへの感謝の気持ちを

雄弁に語っているように思えた。

 

しばらく待つと、教頭先生に連れられて、

離任された先生方が入場してこられた。

暖かい拍手で迎える子どもたち。

離任式は、とても暖かく、優しい雰囲気に包まれていた。

とても感動的だった。

 

そんな中、一人の男の子の姿が目に留まった。

受け持つ5年生のやんちゃなAくんだった。

離任される先生の中に、

ずっと算数を教えてもらっていた先生がいた。

Aくんとその先生は、よくケンカした。

わからないとすぐあきらめ、

学習に向かう態度にムラがあるAくん。

そんなAくんがわかるまで厳しいが、

絶対に見捨てない先生。

私も担任として関わっていたので、

そんな二人のやり取りは毎日見ていた。

すぐ調子に乗る。

空気を読まず、好き勝手発言して、にらまれる。

 

そんなAくんが、まっすぐその先生を見ていた。

その姿は、何百人もいる子どもたちの中でも、

何だか目が離せない、

何とも言えないオーラのようなものをまとっていた。

そんな佇まいだった。

 

式は、無事終わった。

最後は、全校児童で、盛大に長い花道を作って、

離任される先生方の最後の見送りをする。

 

5年生は、体育館から一番遠い、

つまり、離任される先生方が、

一番最後に通る場所でスタンバイした。

 

なかなかやってこない先生たち。

きっと、途中途中で、各学年の子どもたちに

もみくちゃにされているんだろう。

それからさらにしばらく待っていると、

とうとう5年生のところまで先生方がやってきた。

拍手で見送る子、

ハイタッチを求める子、

「ありがとうございました。」と言う子、

様々だった。

 

そんな中を、算数でお世話になったあの先生が

やってきた。

Aくんは、こころなしか落ち着きがなかった。

そして、先生がAくんのところまできた。

先生は、ぐしゃぐしゃに泣いていた。

Aくんはそんな先生を見て、

そっけなく、小さくぴょこっとおじぎをした。

彼なりの精いっぱいの謝意がそこにはあった。

先生にもそれが十分伝わったんだろう。

さらに顔をぐしゃぐしゃにして、

Aくんの頭に手をポンと乗せ、

「ありがとうね。」と一言言った。

その瞬間、Aくんの目から大粒の涙がボロボロとこぼれだした。

私は、Aくんがそこまでぐしゃぐしゃに泣いている姿を見たことがない。

そっけないおじぎは、

崩れそうになる自分を支えるための精いっぱいの抵抗だったのだ。

それは、時間にして1分にも満たない出来事だった。

でも、その場面は、私の心に深く深く刻まれた。

気付いたとき、私も泣いていた。

素直なAくんと先生のむき出しの心に触れて、

心が締め付けられた。

 

Aくんにとって、その先生はかけがえのない存在だった。

彼にとって、今日の出来事はとても大きな出来事だったと思う。

願わくば、この経験を糧に、

さらに一回りも二回りも成長していってほしい。

始業式。 96

ついに子どもたちとの新年度がスタートした。

必要な準備と、やりたい準備の両方を

バランスよくやって迎えた今日。

いいスタートが切れたと思う。

 

今年は、持ちあがりの5年生を担任をすることになった。

持ち上がりとはいえ、クラス替えはしている。

クラスの半分は、昨年から引き続き受け持つ子たち。

残りの半分は、今年初めて受け持つ子たち。

 

クラス替えありの持ち上がりは、いつも少し複雑な気持ちになる。

前年度、子どもたちとの関係も良好だったら、なおさらだ。

 

でも、子どもたちには、自分たちで自分たちの人生を

切り拓いていってほしい。

担任発表は毎年、子どもたちにとって

ドキドキワクワクのイベントであることは確かだ。

中には、どの先生が担任かで

その年一年の良し悪しが決まる、

とでも言わんばかりの子もいる。

 

でも、違う。

それは本質ではない。

人生ってのは、誰のもんでもなく、

まぎれもなく、自分のもんだ。

担任が誰だから、友だちが離れたから、

そんな風に、周りのせいにして、

自分の人生のハンドルを手放さないでほしい。

 

そして、教師は、子どもたちが、

自分の人生のハンドルを手放してしまわないように、

全力で頭をひねって、サポートの最適解を

考え続けなければいけない。

自分で握ったハンドルで自由に進む人生の楽しさを、

道を間違えてもやりなおせばいいことを、

遠回りしたからこそ見える景色があることを、

そんなことを子どもたち自身が発見できるように、

サポートしていかなければいけない。

 

クラスも同じだ。

主役はどこまでいっても子どもたちだ。

だから、クラスのことは、子どもたちが決めていけばいい。

話し合って、納得して、一つずつ進めていけばいい。

教師があれもこれもと、

良かれと思って、手厚くしたことが

子どもたちの成長を、思考を、止めてしまう。

サポートの本質は、子どもたちの成長を支えることだ。

そこを誤ってしまっては、本末転倒になる。

その判断を誤らないためにも、

向上心をもって学び続け、

考え続けなければいけない。

 

今年一年、子どもたちが

どこまでこのクラスを自分たちのものとして、

作っていくのか、とてもワクワクしている。

それをどんな風にサポートしていこうか、

一つずつ子どもたちと考えていきたい。

訪問。 95

今週は、入学式があったり、

明日からの新年度の準備だったりで慌ただしかった。

時間を決めてやろうとリミットを設けるのだが、

いつもやってるうちに夢中になってしまう。

年々、本当に本当に、強く感じるようになっているのだが、

仕事と遊びの区別がつかない。

境界線が溶けだして、

どこまでが仕事で、

どこからが遊びなのか、

自分でもわからない。

「やらなければいけない」からやってるという感覚はない。

「やりたい」、だからやっている。

とはいえ、調子に乗ってやりすぎると、

先に体がダウンしてしまうかもしれないので、

そんな夢中になっている自分も

きちんと客観視する「鳥の目」を持つことも忘れてはいけない。

 

明日の始業式に向けて、

クラスの子どもたちをびっくりさせようと

教室で一人準備をしていた。

気が付けば、夜の8時だった。

キリのいいところまでやりきって、

職員室に戻る。

廊下も教室も電気の消えた真っ暗な校舎の中で、

そこだけ明るく光り、たたずんでいる職員室は、

深夜のコンビニのようである。

 

わずかに残って仕事をしていた先生と

少しだけ、たわいもない話をした。

そろそろ帰ろうかと、支度を始めた時、

職員室の窓ガラスをドンドンと叩く音がした。

ふり返ると、見知った顔がそこには3つ並んでいた。

歯を見せて笑っている。

 

私は、帰るのをあきらめた。

そのまま、職員室を出て、

運動場の方へ出る。

 

ずいぶん大きくなった。

でも、顔にはあどけなさが残っていて、

それは、そのまま数年前に担任をしたときの、

懐かしさそのものだった。

 

「せんせーい!!会いに来たったでー!」

 

上から目線な物言いにも一切ムカッと来ない。

かわいくて仕方がないのだ。

3年前に卒業させた子たちだった。

この4月から高校生だ。

入学式前に会いに来てくれたそうだ。

 

この仕事をしていると、

本当に幸せだなと感じる瞬間がいっぱいある。

 

まさにそんな瞬間のうちの一つだった。

 

3人のうちの1人は、以前にブログで書いた子だ。

 

yamanyo.hatenablog.jp

 

「ほんまはもっとすぐに会いに来るつもりやってんけど、忘れてた。」

 

最高か。

 

しばらく会ってなくても、再会すれば、すぐにあの頃に戻る。

色んな話をしてくれた。

「せんせい、オレ、ほんまに彼女できへんねん。どうしよ。」

「小学生の時に戻りたい。」

「部活入りたいの、特にないねん。」

「こないだ、〇〇と二人で日帰りでディズニー行ってきてん。」

「入学式緊張するわあ。」

「こないだ〇〇とケンカしてさ、まだ仲直りできてへんねん。どうすればええやろ。」

「高校で友達出来るかなあ。」

 

聞いてるだけで、幸せだった。

夜になっても、春の陽気はまだそこら中に残っていて、

穏やかな夜だった。

 

しかし、ずっと時間を気にしていた私は、(だって、ゆうても高1‼)

会話の切れ目で、「ありがとう。もう明日に備えて帰り。」と切り出した。

二人とも(一人は別の予定で途中で先に帰った)、

もう少し話していたそうだった。

まあけど、それを言うなら、私も同じだった。

いくらでも話ができた。

 

最後に、成人式の話をした。

「成人式の日、絶対小学校のメンバーで集まるから!」

「先生、一緒にお酒飲みに行こうな!」

「だから、私らの分、お金貯めといてな!」

 

最初から清々しいくらいおごられる気満々やん 笑

 

でも、悪くない。

積み立てでも始めようかしら。笑

 

入学式は無事終え、

友だちもすぐにできたそうだ。

わざわざみんな入学式後の写真を

メールで送ってきてくれた。

 

この子たちが成人するのは、今から5年後。

また一つ、5年後に向けてステキな夢ができた。

この夢をかなえるときに、

自信をもって再会できる自分でないとな。

そう思って気合が入った。

 

ほんまにええ仕事。

どんどん新しい夢ができる。

夢がかなう。

かなえた夢を見せに来てくれる。

 

明日から新年度がいよいよ始まる。

 

誠実に、謙虚に、一生懸命。

向上心を忘れず、

真摯にまた新しい子どもたちと向き合っていこうと思う。