小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

評価とモチベーション 66

週末になると、飲みに行ったり、お出かけしたり、

どうもブログの更新が遅くなってしまう。

まあ、無理せず、マイペースマイペースと

自分に言い聞かせながら。

 

金曜日、職場の同僚(偶然高校も大学も同じ同級生!)と教頭先生と

三人で飲みに行った。

なかなかないメンツ、というか初めてこの三人で飲みに行った。

教頭先生の発案だ。

放課後、帰宅間際、教頭先生と駐車場でばったり出会い、

少し立ち話をしていると、

「にょんちゃん、ちょっと一回のみに行こかー!!」

とお誘いがあったので、二つ返事でオッケーした。

立ち話の中で、同僚のキリン(仮)の名前も出ていたので、

キリンも誘って三人でという話になった。

 

店は、教頭先生が予約してくれた。

めっちゃおしゃれなカウンターだけの店。

店内には、一組だけお客さん。

BGMもかからず、シンとしている。

まさに密談にもってこいの店である。

 

そう、この日は三人で密談をした。

普段、職場ではなかなか話せない

それぞれ今の職場をどう思っているのか、

どこが問題で、どうしていくべきか、

そんなことを本音でぶっちゃける。

そういう会だった。

 

予定時刻の10分前に、私とキリンが到着し、

予定時刻ちょうどに、教頭先生が到着した。

かくして、密談は始まった。

 

校務分掌のこと、学級のこと、学年のこと、

次年度の人事のこと、職員集団のこと、授業のこと…。

いろんな話をした。

話題によっては、意見の食い違いでヒートアップする場面もあった。

 

密談中、キリンが憤りを爆発させる場面が何度かあった。

爆発と言っても、静かな店内なので、

大声を出したりというわけではないが、

語気は強くなった。

 

その一つに、評価育成システムのことがあった。

評価育成システムとは、教育界において悪名高きシステムとして有名だ。

教職員の能力や業績で、SS~Cまでのランク付けをし、

そのランクに合わせて、給料が増減するシステムだ。

 

キリンは今年度の自分がまっとうに評価されていない、

と憤っていた。

隣のクラスがしんどい状況の中、学年を見ながらのフォロー。

様々な場面で気苦労は絶えない。

また、この一年授業力の向上にフォーカスして

仕事に取り組んできたとも言っていた。

それなのに、管理職が授業を見に来たためしがない、と。

評価結果に文句を言って言るのではなくて、

きちんと見てもらった上での評価なら納得できるけど、

それがなされていないと。

ざっくり言えばそんな感じだ。

 

確かになあ。

そうだよなあ。

でも、それって、今の学校教育もそうじゃないか?

果たして、担任一人で、30人前後いる学級全員の子どもたちの評価を

100%きっちりとつけられているのか、と。

もちろん、そのつもりでやっている。

きちんと評価して、説明責任も果たせる手立てを打っている。

まあ、そもそも「評価」というもの自体、

これからの世の中を生きていく子どもたちにふさわしいのか疑問だけど。

管理職二人で、職員全員をきっちりと評価できるのか。

難しいんじゃないだろうか。

自分が同じ立場で、きちんと職員を評価できるか。

んー、自信ないなあ。

でも、もし自分だったら、こうするかなというロールモデルはいる。

 

初任校で3年間お世話になって、

今も自分の師匠と(勝手に)思っている校長先生がいた。

その先生は、校長時代、

しょっちゅう、教室をのぞきに来た。

廊下を掃除するふりをして、

スーッと教室に入ってきて、授業を見学していった。

ときには、子どものふりして質問をぶつけてきたり。

最初は、「うわー、めっちゃ緊張するし、嫌やなあ。」

と思っていた。

でも、授業後、休み時間や放課後に、校長先生と会うと、

「今日の授業の~の場面、あれ、どういう意図で発問したん?」

とか、

「今日の国語の授業のワーク、わかりやすかったなあ。」

とか

「クラスの〇〇君がつぶやいたの、あそこで拾って正解やったなあ。」

とか、ほぼ毎日言ってくれた。

それが、すごくうれしかったし、

自分で自分の授業を振り返るいい機会になっていた。

その都度、フィードバックしてくれていたのだ。

 

それからというもの、

校長先生に見に来てもらうのが、むしろ楽しみになった。

そして、自分から「次〇〇の授業なんですが、見に来てもらえませんか?」

なんて言うようになっていった。

「見てもらえている」という安心感、「期待されている」という喜び、

そうしたものが仕事の一つのモチベーションになっていた。

 

話は、三人での密談に戻る。

キリンの話を聴きながら、そんなことを考えていた。

と、ここまでは、評価する側のことについて考えていたことだ。

「評価」よりも日常的な「フィードバック」を。

これは、校長先生との出会いで気付かせてもらったことで、

自分のクラスでも「評価」より、ある意味、

機を逃さないその都度その都度の「フィードバック」を大切にしている。

子どもたちは、目に見えてモチベーションを上げ、

自分たちの頑張りにさらにエンジンをかけて

成長していくと確信しているからだ。

 

一方、評価される側のことについては、

キリンと少し意見が違う。

まっとうに評価されないことに関しては、

そりゃあまっとうに評価されるに越したことはない。

そこは同意見だ。

でも、違うのはその先だ。

キリンは言った。

「だから、モチベーションだだ下がりで、やる気ないっすよ。」

 

私は、個人的に評価がまったく気にならない。

…というか、誤解を恐れずに言うなら、どうでもいい。

評価が低ければ、

まっとうに評価してもらえていないと感じたなら、

 

他の追随を許さないぐらい成長してやろう、

圧倒的なまでの成果を出してやろう、

誰がなんと言おうと、にょんさんはもうどうあがいても評価せざるを得ない、

そんな風に思わせるぐらい伸びてやろう、

そう思う。

 

相手を変えるのは難しいけど、

自分は変えられる。

自分が変わると、世界は違って見える。

子どもたちにもいつも言う言葉だが、

全ては自分次第。

何でも成長の糧にしてやるぐらいの、

貪欲さをいつも持っていたい。

 

キリンはとても優秀な男だ。

周りへの気遣いも抜群だし、

物事を俯瞰してみるのに長けていて、

物おじせず、自分の意見をどんな場でも

しっかり言うことができる。

私にはないものばかりで尊敬している。

 

だから、お互いこれからも切磋琢磨して、

職場を、教育を良くしていきたい。