まだ続いてたん? 187
三つ前の記事でこんなことを書いた。
子どもたちとの給食時間における仁義なき戦い。
「英語使ったら、即アウト。」ルールはそれだけ。
この戦いは、私の完全勝利で幕を閉じた…。
はずだった。(デデスデッデデン)
今日、給食時間でのこと。
私は、今日も、前日からコマを一つ進め、次のグループの子たちと一緒に、のんびり給食を食べていた。
すると、「先生!先生!」と横から激しく呼んでくる子がいる。
一体なんだというのだ。
人の恋路、違う、食い路を邪魔するとは。
私「んー?」
ふり返ると、そこにいたのは、前日私と死闘を繰り広げたK君であった。
K君「先生、その時計なんなん?!」
意味が分からない。
普段から職業柄、拙い語彙を補って、相手の言わんとすることを正確に把握することには長けている。
やっぱり意味が分からない。
「その時計なんなん?」ってなんなん?
大阪人の血が騒いで、もう少しで「ぬんぬん?!」と言うところだった。
危ない危ない。
話を元に戻す。
いや、戻さなければいけないほど、飛んでない。
どうもすいません。三平です。
しばらく黙って私はK君を見つめていた。
しかし、K君は何も言わない。
言わないけれど、めっちゃ見てくるやん。
ぬんぬん。
言わない代わりに、彼の目は口よりも雄弁だった。
K君心の声(いやいや、先生。ほら、わかるやろ?おれが求めてるのはそういうことちゃうねん。この目見て!な!欲しい答え見えてきた?どう?どう?)
メッセージ多いわ、その黒目。
情報含みすぎ。
1TBぐらいあるんちゃう。
で、私はその情報を必死に読み取って、答えた。
私「これはなあ、アップルウォッチやで。」
K君「え!?なんてなんて!?もっかいゆうて!!」
私「え、アップルウォッチ。」
K君「はい、先生英語使ったーーーーー!!!負けぇぇぇぇぇぇ!!」
私は思う。
彼は、昨日の夕方から今日の午前中にかけて、何を思い過ごしてきたのだろう、と。
今となっては、その思いを知るすべを私は持ち合わせていない。
でも、彼の心の底からの嬉しそうにはしゃぐ姿を見ていると、そんなことどうでもいいと、清々しくさえある。
明日、昨日罠にはめた「ハワイ」をもう一度K君に言わせてやろう。
それ以外は、どうでもいい。