小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

28冊目「レア力で生きる」 177

今年度28冊目の読了本はこちら。

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「レア力で生きる/小宮山利恵子」

著者の小宮山さんは、スタディサプリ教育AI研究所所長・東京学芸大学大学院准教授という肩書き持つ。

この時点で、かなりのレア力を発揮して、生きているんだろうことがうかがえる。

ちなみに、レア力とは、「他の誰の真似でもない自分だけの「好き」を追求しながら、競争のない領域で生きていく力」と定義されている。

紆余曲折を経て現在に至る著者が、どのようにして、自身のレア力を鍛え、高めてきたのかが、大きく5つの視点から、分かりやすく書かれていた。

一つ一つのトピックが2~3ページにまとめられているので、非常に読みやすいし、気になったページから読めるのもいい。

いかに、5つの視点それぞれのトピックを一覧にしておく。

そうすることで、今回は、自分のこれまでの生き方をリフレクションしてみようと思う。

 

①コンフォートゾーンから脱して自分の可能性を知る

1.旅をする…未知の世界を体験する

2.留学する…海外生活で好奇心と向上心に火が付く

3.仕事を選ぶ…自由裁量の仕事で成長する

4.転職する…やりたいことをやるための転職

5.新たな活動をする…自分の可能性を広げる

6.副業する…自分が変われるチャンスをつかむ

7.扉を叩く…するか、しないか

 

まずは一つ目の視点。

1・5・7は、思い当たることがある。

1.旅は、長期休暇に割とよく色んな所に行く。

ただ、行くだけじゃなくて、行ってそこで、自分のフィルターを通して、知らない世 界を新鮮な目で見て、考えて、そういうことがどこかで自分の人生の糧になっていくんだろうなあ。

ボーっともしながら、旅先でもどんどん新しい世界に飛び込んでいきたい。

5.新たな活動は、この夏で言えば、「みん職」が大きい。

すごく刺激をもっているし、どの先生方もすごく学ばれていて、本当にいい刺激をもらっている。

だから、自分ももっともっと頑張って向上していきたいという気持ちにさせてもらえる。

そして、ここで得た学びを実践することも「新たな活動をする」ことになるはずだ。

明日から始まる2学期。

失敗を恐れず、どんどん新しいことにチャレンジして、子どもたちと一緒に取り組んでいきたい。

7.「するか、しないか」、すごく強いメッセージ。

本当にその通りだと思う。

でも、ちょっと油断すると、「できるか、できないか」のものさしで見てしまいそうになる自分もまだまだいる。

飛び込んでみないと、結果はわからない。

やってみることでしか、道は拓けない。

きっと、まだまだ「する」という選択肢を選べることが転がっているはずだ。

そんな「するか、しないか」の岐路に立ったとき、迷わず、「する」を選べる自分でいたいと思う。

2.今、新しい人たちとの出会いがあって、少し興味を持っている。日本の教育の中にあって、その構造や枠組みを客観的に見ることが難しかったりするからだ。機会があれば、積極的に飛び込んで、自分の世界を広げたい。

 

②”Who am I ?"自分の個性に向き合う

8.振り返る…自分の軸を確認する

9.自分の個性を知る…リバーオブライフを描く

10.さらけ出す…ネガティブな体験も含めての自分

11.自己開放する…本音で話せる場所に行く

12.協働する…他者の力を借りる

13.仲間を増やす…「好き」を語り合う

14.得意、不得意を知る…失敗から学ぶ

15.資質を知る…自己分析する

16.アップデートする…1年前の自分と比較する

 

8・14・15あたりは、部分的にできているのではないかと感じる。

8.これも最近のことだが、自分が「本当は何がしたいのか」について、かなり考える時間が多い。今まで「子どもたちのために教育をしたい」というのが、自分の軸だと思っていた。

でも、この夏、様々な学習会や研修に参加して、その自分の軸が具体性に欠け、解像度が低いことに気付いた。

「子どもたちのため」とはどういうことをさすのか?未来の子どもたち?今の子どもたち?受け持っている子?学年の子?学校の子?日本の子?

「教育をしたい」とは、どんな教育のことをさすのか?力をつけるため?どんな力?指導方法は?内容は?

これらのことを自分に問いかけてみると、驚くほど答えに詰まってしまった。

自分では考えてやってきたつもりだったが、その軸の解像度が低いということは、実現に向けた取り組みもピンボケしているか、芯をくっていてもそれに気づけていない可能性をはらんでいる。

まだ、答えは出ていない。

でも、学び続けることで、自分の軸の解像度を上げることができると信じている。

とても苦しいし、つらいが、目を背けてはいけない。

14.これまでもたくさんの失敗をしてきた。でも、その中から自然と、自分の得意・不得意について、その傾向をつかむことができているのではないかと思う。ただ、あくまでぼんやりとした傾向であって、これも解像度が低い。本書の中で提案されている仕事のポートフォリオを作って、客観視してみる必要がある。

15.ストレングスファインダーで、自己分析をしたことがある。

その中で示された自分の資質のTOP5は次の5つだった。

・収集心・着想・内省・学習欲・戦略性

本書を読んで、久々に見返したが、見事に自分の性質を言い当てられていて、ちょっと恐ろしく感じたぐらいだ。

でも、分析した当時は、「そっかあ、自分には、こういう強みがあるのか、ふーん。」ぐらいにしか思っていなかった。

改めて見直してみて、今は、この強みを自分の生活にどう組み込んでいけるか、もっと具体的に考えられそうだ。

早速やってみようと、ワクワクしている。

そして、これって、ひょっとして「9」の項目とも関係あるのか。

「強み」って「個性」ともいえる。

でも10~13はまだまだ足りていないなあと思う。

ここを意識的に伸ばすことで、得られるものも多いはずだから、こういう部分もこれから意識して、レア力を伸ばしていこう。

そして、実践してことを16を意識して、振り返ることで次の目標を設定しよう。

 

③英語をマスターしてマジョリティから抜け出す

17.語学留学する…環境を変える

18.基礎を叩き込む…土台を作る

19.毎日やる…習うより慣れろ

20.外国人と話す…とっさの一言を訓練する

21.人前で話す…完ぺきを目指さない

22.情報収集する…英語の1次情報を得る

23.立ち位置を確認する…世界の中の自分を意識する

24.レア力を生かす…”日本人”を武器にする

 

んー、この視点、5つの中で一番足りてない。

間違いない。

かろうじて、ちょろっとできてるかなって思うのが、20と21だろうか。

勤務校にALTが週2回来ている。

この状況をもっと最大限生かすことを考えた方がいいかもしれない。

授業のパートナーという意識しかなったが、もっと積極的に日常会話をして、自分の英語力を上げることができるかもしれない。

英語力の必要性は、以前よりも確実に自分の中で高まっている。

それは、22や24について思うところが大きいからだ。

この夏、learn × creationというイベントに参加したことを以前ブログに書いた。

その中で、海外の先生たちのシンポジウムがあったのだが、もちろん全て英語。

私は、同時通訳トランシーバーを借り、かろうじて内容を追うことができた。

でも、正直、満足に学べたとは言い難い。

何人かの方が、シンポジウム後、英語で質問をして、やりとりをしていた。

こうした場面を見ていても、うらやましさを感じた。

ここにも英語での1次情報が目の前に転がっていた。

昨年まで同勤していた先生が退職されて、セブ島での語学留学の会社を立ち上げた。

来年あたり、夏季休業を使っての短期留学を検討したい。

 

④日常の全てを学びに変える

25.学ばないマジョリティから脱出する…大人の学びは当たり前

26.学びの蓄積を知る…自分の学びを可視化する

27.「好き」を究める…レアな体験をする

28.リアルな情報を得る…ネットでは得られない情報に触れる

29.本を読む…読書でしか得られない知識がある

30.モノより体験…自己投資したお金は無駄にならない

31.メモをとる…学びを定着させる

 

この視点のトピックが一番思い当たることが多い。

26以外は、特にこの夏大きく自分の中で動き出した感が強い。

これからも続けていきたい。

と、同時に学んだことが錆びついて行かないように、学びの蓄積を可視化するシステムを作って、それをリフレクションの材料にし、自分の学びの修正をしていくことで、質の高い学びが継続的に保証されていくような気がする。

それと、31の「メモを取る」、これ「メモの魔力」読んでから、かなり習慣づいてきた。

あくまで、「メモを取る」という行為に関してだが。

ここからは、とったメモをどう生かすかをぼちぼち考えていこうと思う。

具体的には、「抽象化→転用」のプロセスまで昇華させることだ。

 

⑤チャンスのつかみ方

33.発信する…アウトプットを習慣化する

34.反論を受け止める…批判や反論に本質が隠されている

35.個と個でつながる…組織より個人の時代になる

36.コミュニティに参加する…人との出会いを大切にする

37.弱いつながりを大事にする…多様性から生まれるもの

38.レア力の高い人と知り合う…何かを究めて突き抜けた人たち

39.かけ算する…自分の「好き」を掛け合わせる

 

最後のこの視点、これもこの夏で大きく動いた。

どれも、「みん職」で得られたり、これから得られる可能性が高いと思う。

でも、それで満足せずに、コミュニティに参加し、弱いつながりをつくり、それを大事にし、出会いを大切にし、その中で、自分のかけ算の可能性にいつか気付けたらいいなあと思う。

 

この夏、自分から動いて、得られたものは、すごく大きい。

改めてそう感じる。

これまでも続けてきたこと、これから続けていこうと思っていること、どっちも合わせて、自分のレア力を上げていきたい。

もちろん、それは、自分の軸の解像度を上げ、太くぶれないものにするためである。

それが、いつになるかわからないが、目の前の子どもたちへとつながっていくと信じたい。

 

 

探求学舎の探求ツアーに行ってきた。 176

先日、みん職の中で知った「探求学舎」を主宰する宝槻泰伸さんが、大阪で探求ツアーをやるというので、調べると、午後の部のチケットがまだあったので、申し込んで行ってきた。

「興味開発」を掲げる教室として、情熱大陸でも取り上げられており、自分が今興味を持っている「探求学習」についてのヒントや学びがあるのではないかという思いからだった。

私が参加したのは、「音楽編」という授業だった。

テーマは「交響曲に隠された秘密を探ろう」で、なんだか「眠たくなる」ようなイメージがある交響曲だけれども、その秘密を知ると、絶対眠たくなくなるし、コンサートに行きたくなると、やっちゃん先生(宝槻さん)は話す。

約1時間半の授業を受けてみて感じたのは、テーマ本編にたどり着くまでの助走が恐ろしく丁寧でわかりやすいということだ。

テーマが交響曲だからといって、いきなり交響曲からは入らない。

まず、最初に提示されたのが、「音楽って何だろう?」だった。

この後も、くり返し行われていたので印象的だったのだが、「音楽」や「オーケストラ」など、必要な語彙の定義を、徹底的に共有する姿勢が一貫していた。

土台となるものの定義の共有をしっかり作ることで、どの子も興味が持てる準備をしているのだと感じた。

一つの問いで、定義を共有していくと、次の問いが出てくる。

そして、その問いについて、また考えていくと、新たな問いが出てくる。

そうして、問いをスパイラルに積み重ねていくことで、子どもたちが段々前のめりになっていく。

会場後方の席に座りながら、参加していた子どもたちの様子を見ていて、そう思った。

それは、さながら、弱火でコトコトと煮込むカレーのようだった。

子どもたちの興味関心は、最初から一瞬で火がつくのではなく、ゆっくり、丁寧に温めていった先、ある地点を超えると、一気に沸点に到達する。

ここからも、子どもたちの興味関心を高めるために、導入の重要性がどれほどのものかがよくわかる。

 

基本的には宝槻さんが舞台上で一人で話して進めていくのだが、必ず重要な場面では、子どもたちとインタラクティブなやり取りを入れて進めていく。

「はい」「いいえ」では答えられない「開いた質問」を投げかけることで、子どもたちの考えを引き出し、それをつないで進めていく。

この質問のタイミングも子どもたちの興味の芽吹き具合に合わせてされていると感じた。

 

今回、参加した授業では「音楽」というとらえどころのないように感じるものが題材だった。

けれど、この一見とらえどころのなさそうな音楽というものを、授業の中で、丁寧に要素ごとに分解して共有し、それをまた組み合わせることで、新しい視点での解釈を可能にしていた。

だから、「知る」ことの楽しさが引き出されて、もっと知りたいという意欲が高まってくるのだろう。

これらの過程が、宝槻さんの話をベースに、「見て」「聞いて」「体を動かして」、五感をフル活用して進んでいく。

さらに、きちんと子どもたちの興味が高まった瞬間に、「じゃあ、今のこと、お隣の人とお話してみて。」とペアトークなどでの交流をはさんでいた。

 

また、実際に交響曲を聞いてみて、全体の場で感想を共有する場面があったのだが、子どもたち一人一人の感想を、宝槻さんが価値づけして返していた。

これは、対話型鑑賞におけるファシリテーターの役割と似ていると思った。

 

そして、丁寧な定義の共有から本題に入っていく後半では、実は、授業の前半に置かれていた伏線が見事に回収されていく。

これには、大人の私も素直に興奮してしまったぐらいだ。

この「伏線→回収、伏線→回収」の流れを結構大事にしていて、これがこの探求の授業の中で、子どもの興味をブーストさせる役割を担っている。

1時間半の授業はあっという間だった。

最後には、1時間半の集大成としての「交響曲」を聞くのだが、最初に宝槻さんが言っていたように、眠くならない。

それは、「交響曲の本質」を知り、これまで、なんだかよくわからない音楽だと思っていたものを解釈できるようになったからだった。

徹頭徹尾、「好奇心に火をつける」ことを上位目的として、そこに至るために、考えうる手立てを全て考え、組み合わせ、構成していた授業だった。

だから、退屈な知識伝達はなし。

上位目的に至るのに、不必要な部分は全て捨て、逆に、必要な部分はどんどん盛り込んで成立している授業だった。

全てを真似することはできないし、するつもりもないが、自分たちが掲げた上位目的の達成のために、大事なことだけにフォーカスしていく方法は、今の学校教育に欠けていることのように思えてならなかった。

授業終了後、会場のホールから外へ出るまでの間、たくさんの家族とすれちがったが、みんな聞いた交響曲を口ずさんでいたり、楽器の話をしていたり、楽しそうな表情だった。

確かに、「好き」「知りたい」「やってみたい」という「好奇心」の種はまかれていた。

天丼。 175

「天丼」とは…、

 

お笑いにおいて「2~3度同じギャグやボケをくり返して笑いを取る方法」を言う。

先日、日常において見事な天丼にでくわしたので、忘れないためにも残しておこうと思う。

昨日、久々に大学時代の同期と後輩の3人で飲んだ。

先に同期と二人で飲んでいて、三人目の後輩が揃ったので、店を変え、二軒目での飲み会がスタートした。

席についてすぐ、後輩が「にょんさんとお鼻さん(同期の仮名)にちょっとご報告がありまして…、実は、ぼく、結婚することになりました。」

その一世一代のような雰囲気を醸し出して、絞り出したような後輩の告白に、先輩としてふさわしいリアクションをした。

 

「あ、へええ。そうなんや。おめでとう。」

 

しかし、オンチ(後輩の仮名)は、納得しなかった。

 

「うっす!なんすか、そのうっすい反応!!もっと何かないんですか!?」

 

不服らしい。

んー、先輩として、落ち着いた対応をしたつもりだったが、どうもそっちではなかったらしい。

ということで、後輩がブー垂れるので、先輩として対応策を提案した。

 

「じゃあ、もっかい仕切り直しさせてや。もっかい最初からやろう。しっかりリアクションするから。」

後輩もこの提案を快く受け入れてくれたので、双方合意のもと、やり直しをした。

TAKE2である。

 

私「えー、じゃあ、どうする?飲み放題にする?」

オンチ「いや、そっからですか!?そこはいいです 笑」

私「え、あ、そうなん?なんや。じゃあ、本題のところからね。」

オンチ「お願いします。」

 

はい、TAKE3。

 

オンチ「あの、実は、僕、先輩たちに報告したいことがあって…、ぼく、あの、結婚するんです!」

 

私「えぇぇぇ!?結婚!?」(机を両手でたたき、前のめりに)

 

オンチ「はい。」

 

私「うっす!なに、そのうっすい反応!!もっと何かないん!?」

 

私の熱演を無駄にするようなうっすいオンチの反応。

うすいやろ。それはあまりにうすいやろ。

なんや、お前はあれか。

シングルロールのトイレットペーパーか!!半紙か!!

 

…という天丼の話、ではない。

こんな質の悪い天丼もどきの話をしたいのではない。

 

そう本編はここからである。

ここまで読んでいただいた方がおられましたら、謹んでお詫び申し上げます。

ただ私は一切悪くありません。

悪いのはオンチです。

あと、横で傍観して、一ミリも面白くなかったお鼻さんのせいです。

 

三人集まれば、こうやって、すぐに昔のように戻れて、居心地がとても良い。

中途半端なボケのやり取りで、後輩の結婚というビッグニュースがかすんでしまった。

これは、申し訳ない。

そして、本当に本心からとても喜ばしいニュースだった。

だから、先輩として、そのニュースに対する率直な喜びの気持ちと「おめでとう」のメッセージを伝えなければ。

 

「オンチが結婚かあ。うん、オレ…」

 

「お客様ー!飲み放題のコースは2時間と3時間あるんですが、どちらがよろしかったですか?」

 

「…、ああ、2時間でお願いします。」

 

「かしこまりましたー!」

 

「あ、ごめん。オレはさ、今結婚って聞いて…」

 

「お客様ー!こちらの飲み放題なんですけど、グラス交換制となっておりますので、ご協力よろしくお願いします!」

 

「…はい、わかりました。…結婚す…」

 

「お客様!こちらの飲み放題なんですけど、おひとり様2品ずつお食事の方を注文していただくことになってまして、どうされますか?」

 

「…あ、そうなんですか。じゃあ、串盛り合わせを全部3本ずつと、枝豆と豆腐下さい。」

 

「かしこまりました!」

 

「…結…」

 

「お客様!串の方、塩かたれのどちらになさいますか?」

 

 

 

いや、もうそれわざとやってます!?

てか、今の一連のやり取り、まとめて一回で済ませませんでした!?

 

なんなら途中、店員さんがちょっと向こう行って、僕が話し始めた時、店員さん入ってこんくて、「いや、入ってこーへんのかーい!!」ってツッコもうかってくらいまでは、未来予測してたからね!?

完全に乳首ドリルの流れやったやん!!

 

 

 

…以上、後世にまで残したいベストシーンでした!

 

うっす。

「子どもと作る みんなでつくる 教室リフォームプロジェクト」 174

みん職講座、2回目に参加した。

軽井沢風越学園でも有名な岩瀬直樹先生がゲストスピーカー。

learn × creationでお話が聞けなかったので、直接こうしてお話が聞ける機会に恵まれ、本当にありがたかった。

自分も教室を子どもたち一人一人の居場所にしていくために、今年教室リフォームに取り組んでいるので、とても参考になった。

本の学校における教室と言えば、黒板に向かって、全員の机が均等に並べられ、同じ学習内容を、同じペースで、同じ方法で学ぶというのが、一般的だ。

私もそういう小学校時代を過ごしたし、他の人にしても、そういう人が大部分だと思う。

これは、教えやすさや管理しやすさに特化した作りになっている。

岩瀬先生はこれを「後頭部凝視型」と呼んでいて、「なるほど、いい得て妙だなあ。」と感じた。

教室=20年後の社会と考えると、この「後頭部凝視型」が今後も続けば、20年後、どんな社会になるだろう。

きっと自分で考えて行動したり、トライ&エラーをくり返しながら向上したりできない人がたくさんあふれてしまうだろう。

だから、「どんな教室にしたいか」は、「どんな社会を作っていきたいか」とつながっている。

自分をふり返ってみて、「こんな子どもたちに育てたい」「こんな教室を作りたい」ということは、ずっと考えてきた。

けれど、それを「どんな社会を作りたいか」とつなげて考えたことがなかった。

でも、よく考えれば、それは当然のことだ。

学校を卒業した子どもたちは、いつか社会に出ていく。

その時、社会を作るのは、未来の子どもたちだ。

いや、そこには私たちも入っているだろう。

「大人も子どもも作り手でありたい」という岩瀬先生の言葉が刺さる。

だから「ともに学ぶ」のだ。

岩瀬先生は、教室リフォームについて、「学習者と共同で従来の学校教育の物語を編み直す営み」と表現されていた。

様々なところで言われていることだが、教員は、これまでの学校教育の中で重要視されてきた学力観や子ども観を見直さなければいけない。

自分が受けてきた「後頭部凝視型」教育の枠組みが全てだという思考だと、どうしてもその枠組みの外側にあるような取り組みはできない。

目の前の子どもたちの実態にフォーカスしたときに、そこから見える願いや思いは、必ず足も、今の教育システムの中で完結しているとは限らない。

いや、従来の教育システムの外側にある願いや思いの方が多くなっていると言っても過言ではないのかもしれない。

だから、従来の学校教育の枠組みに縛られることなく、「自分の行動によって、自分や他者の居心地や学びやすさがより良くなっていく」という原体験足り得る教室リフォームが魅力的なのだ。

そして、教室リフォームは、動いた分、その変化が可視化しやすい。

これは、子どもたちにとっても大きなメリットだ。

動けば動いた分だけ、世界(教室)が変わっていくからだ。

そうした積み重ねは、子どもたちの意識の中に、「自分が動けば変わっていくかもしれない」という希望を生み出す。

その希望というのは、子どもたちが大きくなって、「自分たちが動くことでもっと社会を良くしていきたい」と積極的に社会に参画しく意識の醸成につながるのではないか。

そうした感覚を持った人間が増えることが、社会をより良くしていく原動力になるだろうことは言うまでもない。

自分が動けば、今まで「他人事」だったことが「自分事」になる。

「当事者」になる。

「自由は使ってみることでしか、使えるようにならない」

岩瀬先生のその言葉に「教室リフォーム」の本質が凝縮されていた。

当然ながら、「当事者」である一人一人の思うことは、考えることは違う。

だから、共同で互いの居心地の良さを大切にしながら育んでいくのだ。

この講座の中でも大きなキーワードになっていた「共同修正」の考え方に基づいた岩瀬先生の話は、本当にこれからますます重要になっていくだろうなあと思った。

 

2学期からも引き続き、取り組む予定の教室リフォーム。

しっかりとビジョンを持ちつつ、でも自分の中で完成形を固定するのではなく、「共同修正」のスタンスを忘れずに、子どもたちとともに、進めていけたらなと思う。

「自分たちで学ぶ力を育てる」コーチング 173

前回の記事で書いた「みん職」の講座に参加した。

初めての参加となったこの講座は、

プロコーチの吉田忍さんと小学校教員の若松俊介さんがゲストスピーカー。

コーチングについて、その言葉は聞いたことがあるし、以前に「3分間コーチ」という本を読んだことがあるので、全く知らないというわけではないが、深く理論を学んだりしたことはない。

吉田さんは、コーチングの定義を、「自発的行動を引き出すコミュニケーションスキル」と言っておられた。

これって、「子どもを、子どもの力を信じる」っていうスタンスとすごく合致する。

信じているからこその「自発的行動の促進」だと思うから。

信じていなかったら、自発的行動の促進ではなくて、一方的にコントロールしようという側面が強く出てくる。

自分をふり返ってみても、後者になっていたことが多々ある。

反省しなければ。

 

今回は、「夏休みに高めたいコーチングスキル」ということで、コーチングの基本的な考え方も交えて、わかりやすく学ぶことができた。

コーチングには1対1と1対多があることは、今回初めて知った。

こういう視点一つとっても、意識して声掛けできるかどうかで、その効果もずいぶん違ってくるだろうから、大切だなあと思った。

子どもたちの姿は、数値化できることばかりではない。

けれども、その数値化できないところもコーチングを軸に考えることで、理解できたりするのだという。

自分自身の実践についても同じだと思った。

実践の全てを数値化できるわけではない。

でも、数値化できない部分にも、実践の重要な部分が詰まっている。

だから、自分で自分に問う。

「あのアプローチは良かったのか?」

「どの力が育ったのか?」

「2学期に特に意識してみていかなければいけないことは何か?」

「目指すゴールに向けて、焦りすぎていないか?」

「前年度から新しいクラスへの移行はスムーズにできたか?」

ここでもそうだ。

ふり返ることで、現在地の解像度を上げ、ゴールまでの距離やアプローチを改めて測り直すのだ。

若松先生が語ってくださった子育てでの話には、はっとさせられた。

子どもが「スキップができた!」と嬉しそうに報告に来たのだそうだ。

でも、親から見ると、全然スキップができていない(笑)

そういう場面って、私も仕事をしていてたくさん見かけた。

こういう大人と子どもの認識のずれに対して、自分はどう対応しているだろうか。

「全然できてないやん。」と大人である自分側の視点で受け止めてしまっていることってないだろうか。

うん、ある。

そうじゃなくて、本人が成長したと思っている部分をまず認めるってすごく大事なんじゃないか。

若松先生は、お子さんとのやり取りでそんなことに気づかれたそうだ。

普通なら、さらっと流れて行ってしまうような日常の一場面にも、こうして深い気づきが転がっているのだと思った。

その後に、吉田さんがスライドで教えて下さった「信頼関係向上の3つのステップ」も非常に参考になった。人は、誰かと信頼関係を向上させるとき、次の3つのステップを段階的に踏んでいくという。

①安心・共感(傾聴)

②相互理解(互いの特徴や性質を理解→良い悪いではなく、それぞれのスタイルとして)

③相互支援(チャレンジしていける課題をお互いにリクエストできる関係をつくる)

 

なるほどなあと思った。

①ができていないのに、②や③を求めても、それは難しいということだ。

確かに、安心がないのに、共感がないのに、自分のことをオープンにしようとは思わないし、そんな関係では相手のことを知ろうという気にもならない。

①~③で、個人対個人で、今どこにあるのか、集団として今どこにあるのか、そういうことを見極めるための一つの有効な視点だなあと思った。

早速2学期から使ってみよう。

でも、ここでも「手段」の「目的」化に陥ってはいけない。

コーチングでは、現在地をつかむことが最も大事だとされる。

現在地がわかるから、そこから目的地までのルートを割り出すことができる。

だから、クラスを、子どもたちを③にもっていくことが目的ではなく、それぞれが「今自分は、クラスは②の状態かなあ」と現在地を把握することが重要なのだ。

それは、自分や自分を取り巻く環境を俯瞰することにつながる。

具体的なコーチングアプローチについても教えていただいた。

①聴く・ペーシング(相手のペースに合わせる)

②スタイル・質問力(内省を促す)

③承認力・フィードバック力・コーチングプロセス

これだけでは、まだまだ分からないことが多いので、これから学んでいきたい。

 

最後に、「安心・信頼できる雰囲気をつくるためにできることは?」という質問にゲストの先生方が答えて下さった。

 

まず、教師が安心感を持ち、きちんと肯定も否定もひっくるめて、子どもの今を受け止めること。

 

教師が安心感を持つところは、働き方改革も関係してくるなあ。

すぐに価値づけしたがる教師特有の癖も自分自身で意識していかなければいけない。

 

吉田さんがお知らせで探求学舎の宝槻さんと対談するとおっしゃっていたが、東京で日にち的にも難しいので、ネットで調べてみると、明日、宝槻さんの探求学舎の授業が、近くの高槻市であることがわかり、そのうちの午後からの一コマの予約が取れたので、体験してこようと思う。

 

自分から飛び込んだ世界の先には、また新たな出会いや発見があり、それがまた自分を突き動かす。

学ぶって楽しい。

今、自分は心の底からそう感じている。

こういう感覚の学びを子どもたちにも感じてほしい。

どうすればできるか。

考えよう。

考えよう。

広く、深く。

正解は一つじゃないし、いつだって子どもが真ん中だ。

オンラインでインプット&アウトプット 172

この8月から、新たな場所に飛び込んだ。

「みんなの職員室オンライン」だ。

以前から、Twitterなどで、その存在は知っていたものの、参加しようというところまでは考えておらず、遠くから眺めているだけだった。

けれど、この夏、learn × creationに参加したこともきっかけになって、「もっと自分から飛び込んでみないとわからない世界がある。学べない世界がある。」と気付き、参加を決めた。

事務局スタッフさんからのDMをいただき、手順に沿ってなれないZoomやSlackをPCやスマホにインストールした。

8月9日に初めての方向けのガイダンスが行われた。

もちろんオンラインで。

こうして、Zoomなんかを使って、オンラインでリアルタイムのやり取りをするのは、初めてでとても緊張した。

でも、話し始めると、みなさんとてもステキな方で、そして、温かい傾聴の雰囲気があって、緊張は徐々にほぐれていった。

「みんなの職員室オンライン」、通称「みん職」では、Zoomでリアルタイムの交流をして、それをチャットのようなアプリSlackを使って、アウトプットして学びを深めていく。

基本的に、毎回の講座には、ゲストスピーカーの方がいて、まず、その方のゲストトークがある。

スライドなんかも使いながら、話して下さってどれも非常にわかりやすい。

ゲストトークが終わったら、そこで考えたことや感じたことを、グループに分かれて、ディスカッションし、最後に、質疑応答をして、終わる。

事務局スタッフさんも言っていたが、とてもインタラクティブな学びの場で、とても新鮮だった。

自宅に居ながらにして、1時間というコンパクトな時間で、ぎゅっと濃縮した学びを得られるので、本当にすてきなシステムだなあと感じた。

もうすでに、いくつかの講座を受講したので、その講座内容についても振り返ってこのブログでもアウトプットして、実践の糧にしていきたい。

learn × creation⑧ 171

たくさんのインプットができたlearn × creationは、あっという間に幕を閉じた。

2日目の最後には、PLAYGROUNDの中の一つ、日本初のイエナプランスクールのブースで、担当の宅明先生と、他の参加者の方と一緒に、大日向小学校の目指している教育や、開校までの経緯などのお話も聞くことができた。

 

2日間を通して、非常に強く感じたのは、どのワークショップでも、シンポジウムでも、「子どもを、子どもの持っている力を信じる」という姿勢がベースにあるということだった。

「信じる」と一言で言えばシンプルだが、その言葉を具体的に語るとなると、なかなか難しい。

 

「子どもを信じる」

 

とてもわかりやすい響きのする言葉だ。

でも、その何となくのわかりやすさで思考が止まってしまうことは、わかっていないのとほぼ同義だ。

 

「子どもを、子どもの力を信じる」とは、実際どういうことなのか。

そのヒントが、この二日間にたくさんあった。

誰もがその言葉をそれぞれの取り組みの中で問い続けていた。

lxcに参加して、あちらこちらであふれんばかりの教育への熱量にすごく感動した。

それはなぜか。

誰もが「子どもの力を信じる」をベースに、実際に実践をして問い続けているからだ。

だから、「ともに悩み、ともに考え、ともに学ぶ」のだ。

 

私も一公立小学校の教員として、この考え方を持ってやってきた。

でも、その考え方は、持って終わりではなく、アップデートし続け、その解像度を上げていかなければ意味がない。

そう強く感じた。

見せかけだけの言葉に酔うのではなく、満足するのではなく、その中身を掘り下げていかなければいけない。

どうやって掘り下げていくのか?

実践だ。

実践を積み重ねていくしかない。

もちろん、子どもたちとともに。

「教師が子どもに」ではなく、「ともに学ぶ」。

「一方的な指導」ではなく、「子どもたちが自走する学びの場の設定」を。

ティーチング」ではなく、「コーチング」を。

もちろん、どちらか、片方だけでいいというわけではない。

要は、使い分けるバランス感覚だ。

でも、長いスパンの中で、少しずつでも、後者の割合を大きくしていけるような、そういう自分でありたい。

 

2学期からの実践が楽しみだ。

どこまでできるか。

もちろん、すぐにできたり、うまくいくことばかりではない。

でも、「失敗」は「プロセス」であって、「結果」じゃない。

それを忘れず、積み重ねていけばいい。

自分のペースで良い。

そして、今回インプットしたことの数々について、それをやること自体を「目的化」してしまわないこと。

今回学んだ様々なアプローチは「手段」の一つ。

「目的」では決してない。

 

まだまだ未熟だ。

インプットとアウトプットを貪欲に続け、実践を積み重ね、自分の目指す理想の教育のビジョンの解像度を上げていこう。