小学校教員にょんの日々ログ

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「自分たちで学ぶ力を育てる」コーチング 173

前回の記事で書いた「みん職」の講座に参加した。

初めての参加となったこの講座は、

プロコーチの吉田忍さんと小学校教員の若松俊介さんがゲストスピーカー。

コーチングについて、その言葉は聞いたことがあるし、以前に「3分間コーチ」という本を読んだことがあるので、全く知らないというわけではないが、深く理論を学んだりしたことはない。

吉田さんは、コーチングの定義を、「自発的行動を引き出すコミュニケーションスキル」と言っておられた。

これって、「子どもを、子どもの力を信じる」っていうスタンスとすごく合致する。

信じているからこその「自発的行動の促進」だと思うから。

信じていなかったら、自発的行動の促進ではなくて、一方的にコントロールしようという側面が強く出てくる。

自分をふり返ってみても、後者になっていたことが多々ある。

反省しなければ。

 

今回は、「夏休みに高めたいコーチングスキル」ということで、コーチングの基本的な考え方も交えて、わかりやすく学ぶことができた。

コーチングには1対1と1対多があることは、今回初めて知った。

こういう視点一つとっても、意識して声掛けできるかどうかで、その効果もずいぶん違ってくるだろうから、大切だなあと思った。

子どもたちの姿は、数値化できることばかりではない。

けれども、その数値化できないところもコーチングを軸に考えることで、理解できたりするのだという。

自分自身の実践についても同じだと思った。

実践の全てを数値化できるわけではない。

でも、数値化できない部分にも、実践の重要な部分が詰まっている。

だから、自分で自分に問う。

「あのアプローチは良かったのか?」

「どの力が育ったのか?」

「2学期に特に意識してみていかなければいけないことは何か?」

「目指すゴールに向けて、焦りすぎていないか?」

「前年度から新しいクラスへの移行はスムーズにできたか?」

ここでもそうだ。

ふり返ることで、現在地の解像度を上げ、ゴールまでの距離やアプローチを改めて測り直すのだ。

若松先生が語ってくださった子育てでの話には、はっとさせられた。

子どもが「スキップができた!」と嬉しそうに報告に来たのだそうだ。

でも、親から見ると、全然スキップができていない(笑)

そういう場面って、私も仕事をしていてたくさん見かけた。

こういう大人と子どもの認識のずれに対して、自分はどう対応しているだろうか。

「全然できてないやん。」と大人である自分側の視点で受け止めてしまっていることってないだろうか。

うん、ある。

そうじゃなくて、本人が成長したと思っている部分をまず認めるってすごく大事なんじゃないか。

若松先生は、お子さんとのやり取りでそんなことに気づかれたそうだ。

普通なら、さらっと流れて行ってしまうような日常の一場面にも、こうして深い気づきが転がっているのだと思った。

その後に、吉田さんがスライドで教えて下さった「信頼関係向上の3つのステップ」も非常に参考になった。人は、誰かと信頼関係を向上させるとき、次の3つのステップを段階的に踏んでいくという。

①安心・共感(傾聴)

②相互理解(互いの特徴や性質を理解→良い悪いではなく、それぞれのスタイルとして)

③相互支援(チャレンジしていける課題をお互いにリクエストできる関係をつくる)

 

なるほどなあと思った。

①ができていないのに、②や③を求めても、それは難しいということだ。

確かに、安心がないのに、共感がないのに、自分のことをオープンにしようとは思わないし、そんな関係では相手のことを知ろうという気にもならない。

①~③で、個人対個人で、今どこにあるのか、集団として今どこにあるのか、そういうことを見極めるための一つの有効な視点だなあと思った。

早速2学期から使ってみよう。

でも、ここでも「手段」の「目的」化に陥ってはいけない。

コーチングでは、現在地をつかむことが最も大事だとされる。

現在地がわかるから、そこから目的地までのルートを割り出すことができる。

だから、クラスを、子どもたちを③にもっていくことが目的ではなく、それぞれが「今自分は、クラスは②の状態かなあ」と現在地を把握することが重要なのだ。

それは、自分や自分を取り巻く環境を俯瞰することにつながる。

具体的なコーチングアプローチについても教えていただいた。

①聴く・ペーシング(相手のペースに合わせる)

②スタイル・質問力(内省を促す)

③承認力・フィードバック力・コーチングプロセス

これだけでは、まだまだ分からないことが多いので、これから学んでいきたい。

 

最後に、「安心・信頼できる雰囲気をつくるためにできることは?」という質問にゲストの先生方が答えて下さった。

 

まず、教師が安心感を持ち、きちんと肯定も否定もひっくるめて、子どもの今を受け止めること。

 

教師が安心感を持つところは、働き方改革も関係してくるなあ。

すぐに価値づけしたがる教師特有の癖も自分自身で意識していかなければいけない。

 

吉田さんがお知らせで探求学舎の宝槻さんと対談するとおっしゃっていたが、東京で日にち的にも難しいので、ネットで調べてみると、明日、宝槻さんの探求学舎の授業が、近くの高槻市であることがわかり、そのうちの午後からの一コマの予約が取れたので、体験してこようと思う。

 

自分から飛び込んだ世界の先には、また新たな出会いや発見があり、それがまた自分を突き動かす。

学ぶって楽しい。

今、自分は心の底からそう感じている。

こういう感覚の学びを子どもたちにも感じてほしい。

どうすればできるか。

考えよう。

考えよう。

広く、深く。

正解は一つじゃないし、いつだって子どもが真ん中だ。