小学校教員にょんの日々ログ

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「子どもと作る みんなでつくる 教室リフォームプロジェクト」 174

みん職講座、2回目に参加した。

軽井沢風越学園でも有名な岩瀬直樹先生がゲストスピーカー。

learn × creationでお話が聞けなかったので、直接こうしてお話が聞ける機会に恵まれ、本当にありがたかった。

自分も教室を子どもたち一人一人の居場所にしていくために、今年教室リフォームに取り組んでいるので、とても参考になった。

本の学校における教室と言えば、黒板に向かって、全員の机が均等に並べられ、同じ学習内容を、同じペースで、同じ方法で学ぶというのが、一般的だ。

私もそういう小学校時代を過ごしたし、他の人にしても、そういう人が大部分だと思う。

これは、教えやすさや管理しやすさに特化した作りになっている。

岩瀬先生はこれを「後頭部凝視型」と呼んでいて、「なるほど、いい得て妙だなあ。」と感じた。

教室=20年後の社会と考えると、この「後頭部凝視型」が今後も続けば、20年後、どんな社会になるだろう。

きっと自分で考えて行動したり、トライ&エラーをくり返しながら向上したりできない人がたくさんあふれてしまうだろう。

だから、「どんな教室にしたいか」は、「どんな社会を作っていきたいか」とつながっている。

自分をふり返ってみて、「こんな子どもたちに育てたい」「こんな教室を作りたい」ということは、ずっと考えてきた。

けれど、それを「どんな社会を作りたいか」とつなげて考えたことがなかった。

でも、よく考えれば、それは当然のことだ。

学校を卒業した子どもたちは、いつか社会に出ていく。

その時、社会を作るのは、未来の子どもたちだ。

いや、そこには私たちも入っているだろう。

「大人も子どもも作り手でありたい」という岩瀬先生の言葉が刺さる。

だから「ともに学ぶ」のだ。

岩瀬先生は、教室リフォームについて、「学習者と共同で従来の学校教育の物語を編み直す営み」と表現されていた。

様々なところで言われていることだが、教員は、これまでの学校教育の中で重要視されてきた学力観や子ども観を見直さなければいけない。

自分が受けてきた「後頭部凝視型」教育の枠組みが全てだという思考だと、どうしてもその枠組みの外側にあるような取り組みはできない。

目の前の子どもたちの実態にフォーカスしたときに、そこから見える願いや思いは、必ず足も、今の教育システムの中で完結しているとは限らない。

いや、従来の教育システムの外側にある願いや思いの方が多くなっていると言っても過言ではないのかもしれない。

だから、従来の学校教育の枠組みに縛られることなく、「自分の行動によって、自分や他者の居心地や学びやすさがより良くなっていく」という原体験足り得る教室リフォームが魅力的なのだ。

そして、教室リフォームは、動いた分、その変化が可視化しやすい。

これは、子どもたちにとっても大きなメリットだ。

動けば動いた分だけ、世界(教室)が変わっていくからだ。

そうした積み重ねは、子どもたちの意識の中に、「自分が動けば変わっていくかもしれない」という希望を生み出す。

その希望というのは、子どもたちが大きくなって、「自分たちが動くことでもっと社会を良くしていきたい」と積極的に社会に参画しく意識の醸成につながるのではないか。

そうした感覚を持った人間が増えることが、社会をより良くしていく原動力になるだろうことは言うまでもない。

自分が動けば、今まで「他人事」だったことが「自分事」になる。

「当事者」になる。

「自由は使ってみることでしか、使えるようにならない」

岩瀬先生のその言葉に「教室リフォーム」の本質が凝縮されていた。

当然ながら、「当事者」である一人一人の思うことは、考えることは違う。

だから、共同で互いの居心地の良さを大切にしながら育んでいくのだ。

この講座の中でも大きなキーワードになっていた「共同修正」の考え方に基づいた岩瀬先生の話は、本当にこれからますます重要になっていくだろうなあと思った。

 

2学期からも引き続き、取り組む予定の教室リフォーム。

しっかりとビジョンを持ちつつ、でも自分の中で完成形を固定するのではなく、「共同修正」のスタンスを忘れずに、子どもたちとともに、進めていけたらなと思う。