小学校教員にょんの日々ログ

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18冊目「マインドセット学級経営」 127

今年度18冊目の読了はこちら。

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マインドセット学級経営/アニーブロック、ヘザー・ハンドレー著」

最近、教育書を何冊か購入し、同時に少しずつ読み進めている。

そんな中の一冊がこの本だ。

発売前から、気になっていて、発売されたら必ず買おうと思っていた。

 

というのも、昨年ごろから、

自身の学級経営を見つめ直すようになっていたからだ。

SNS上や書籍で、様々な先生方の実践に触れる中で、

「自分の学級経営は本当に今の方針でいいのか。」

「今後も同じような流れで続けていって大丈夫なんだろうか。」

そんなことを思うようになっていた。

 

思えば、初任の年から、一緒に学年を受け持つ先生に恵まれた。

「あれもやりたい。これもやりたい。」

と欲張りだった私の実践アイデアに、

ベテランの先生たちは「やってみたらいいよ。」と背中を押してくれ、

自由にさせてもらえた。

そんな経験を積む中で、うまくいくこと・いかないこと、

様々あり、自分なりの取捨選択を繰り返し、

ブラッシュアップしてきた「つもり」だ。

幸い、子どもたちにも恵まれた。

今振り返ってみても、自分のやりたいことと

子どもたちのモチベーションも

ある程度リンクしていたように思う。

一方、学級崩壊寸前までクラスがうまくいかない年も経験した。

不登校やいじめも経験した。

自分なりの紆余曲折を経て、現在。

改めて、自身の学級経営について、

先のように、自分に問うことが多くなった。

 

「どんなクラスを目指しているんだ?」

「何を軸にクラスの子どもたちと向き合っていくんだ?」

 

昔ほど若いわけでも、もうない。

勢いだけでは、その場は乗り切れても、

最後までそれだけではやっていけない。

 

これまで積み重ねてきた経験則のようなものを、

一度このタイミングで全て見つめ直し、

理論とリンクさせ、価値づけ、

不必要なものは捨て、それらを体系化し、

これから先の子どもたちと向き合っていきたい。

感覚も大事だが、感覚だけではだめだ。

理論も大事だが、理論だけではだめだ。

大事なのは両者のバランス。

そのバランスを今、しっかり見極めていくべきだ。

自分を見つめるもう一人の自分がそう語りかけてくる。

 

そんな今の私にとっては、本当に学ぶべきことが多い、

最高の一冊だった。

実際、この本に書かれている内容を、

学級の子どもたちに合わせてチューニングし、

今後取り組んでいこうと考えている。

 

本書は、帯にもあるように、

「成長的マインドセットで前向きに挑戦できる学級をつくる」

ことを目的として書かれた。

成長的マインドセットと言う言葉がキーワードになってくるのだが、

その対となる言葉として、固定的マインドセットが登場する。

両者の違いを本書では以下のように定義づけしている。

 

固定的マインドセット:人は生まれたときから知能と能力が決まっているという考え。固定的マインドセットの人は、挑戦や失敗を避ける傾向があり、豊富な経験や学びに満ちた人生を自ら放棄している。

 

成長的マインドセット:練習、忍耐や努力で、人はいくらでも学び、成長できるという考え。成長的マインドセットの人は、失敗や恥を恐れず、自身をもって新しいことに挑戦し、常に成長することに価値を置いている。

 

成長的マインドセットでもって、

成長志向の学級を作っていくにあたっては、

まず、教師自身が成長的マインドセットをもって、

子どもたちに関わっていくことの重要性が書かれている。

確かに、その通りだ。

教師が、固定的マインドセットだったなら、学級の子どもたちは

きっと、失敗を責任転嫁したり、

事なかれ主義になったりする可能性が高いだろう。

少し考えれば、誰でもこの事実にたどり着く。

しかし、教師という生き物は、口ではそうは言っても、

知らず知らずのうちに、完ぺきを目指していたりする。

無意識に目には見えない教師側の都合で

動いていることも多々ある。

でもそんなことでは、子どもたちは安心してチャレンジできない。

チャレンジができなければ、成長の機会はその多くが失われてしまう。

口では、

「失敗なんて気にしないで、どんどんチャレンジしていこう!」

と言って、

本当に失敗しても、

子どもたちが不利益を被るようなことになっていないだろうか。

そんなことも振り返るきっかけになった。

 

本書は、全部で12の章に分かれている。

それぞれの章が、毎月のマントラについて解説していく形式になっていて、

読み終わると、ちょうど一年が終わり、

成長的マインドセットの学級が出来上がっているような、

そんな構成になっている。

随所に、精神論で片づけない科学的根拠も示されていて、

これまでの実践と理論を結び付けて整理したい私にとっては、

どの章も非常に参考になった。

 

理論だけではなく、成長的マインドセットについて学ぶための

アクティビティやワークシートも充実していて、

うまく活用すれば、総合的学習の時間などを使って、

単元を組んで、取り組んでいけるのではないかと感じた。

 

読み終わってみて、これまでの自信の学級経営を振りかえり、

気付いたことがある。

初任の年からずいぶん長い間、

私は学級経営の中で、

「自分がこんなことをしたらきっと面白いだろうなあ」

ということを積極的に提案し、子どもたちを乗せ、

実践し、楽しんでいたな、と。

そういうことが全て間違っているとは今でも思わないし、

本書で言うところの固定的マインドセット傾向の強い子どもたちの場合、

成長的マインドセットを学ぶと同時に、

教師が少しリードして提案することで、失敗も含めて楽しむ経験を積む、

ということが必要な時もあるだろう。

でも、それはあくまで一時的なものにすぎないのだ。

本質からは外れることなのだ。

学級は、教師のものではない。

そして、学級は、

本質的には教師がコントロールするものではないし、

コントロールできるものでもないのだろう。

主役はどこまでいっても、子どもたちであるべきだ。

その本質的な姿勢を忘れると、

教師の自己満足や商人欲求の道具に成り下がってしまいかねない。

過去の自分を思い返すと、そういうことが確実にあった。

今思えば、恥ずかしい限りである。

思い上がりも甚だしい。

主役である子どもたちがつくり、

試行錯誤しながら、安心・安全に過ごせる

それぞれの居場所にしていかなければいけない。

けれども、子どもたちだけでは、

うまく乗り越えられないこともたくさんある。

だから、教師が存在する。

それも、正解を提示するのではなく、

一緒に考え、子どもたちの中に眠る答えを引き出すきっかけを作る。

フィードバックを意識するのだ。

以前、読んだ「3分間コーチング」とリンクする。

 

そして、もう一つ。

クラスは、クラスのために存在するのではない。

クラスは、どこまでいっても、

「一人一人の子どもの成長のために存在する。」

クラスのために子どもたち一人一人が存在するのでは決してない。

そのことを忘れてしまうと、一人一人がクラスの犠牲になったりする。

本当の意味での一人一人の安心や安全な居場所にはなりえない。

この視点でもって、教室や学級をデザインしていくことが、

これからの時代ますます強く求められるだろうなと感じる。

今ここに立ち返り、気付き、言語化できて良かった。

 

幸い、今進めている学級づくりに関しては、

大きく道を踏み外していないなと思う。

でも、改善の余地はまだまだある。

私は、まだまだ黒子に徹することができるはずだ。

 

この本は、教室において、

折に触れて読み返すことで、

まだまだ自分の血肉にすることができる可能性を秘めている。

だから、長いスパンで繰り返し、読み込もうと思う。

 

この本を読むことを通して、

自分の学級経営の現在地を確認し、

今後の進むべき方向が明確になったのは大きな収穫だった。

完ぺきを目指すのではなく、成長し続ける教師で在り続ける。

簡単なことではないが、やってやれないことはない。

これからもまず、自分自身がトライ&エラーを積極的にして、

小さな改善・修正を繰り返し、

子どもたち一人ひとりが、輝き、安心して居心地の良さを感じられる

クラスづくりの「サポート」をしていきたい。

 

んー、なんか支離滅裂な文章になってしまった…。

でも、私の頭の中は、割とすっきりしてるんです。笑

(→ただの文章力の問題)

 

一年後、どんなクラス、どんな子どもたちに、成長しているのか、

すごくすごくワクワクする。

この成長へのワクワク、ずっと持ち続けていたい。