小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

お返事第2弾。 136

小学生にして、ライブに連れて行ってもらいまくり、

およそ小学生とは思えないコアな曲を口ずさむ他学年のAくん。

 

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彼に、手紙を書いたことがきっかけで、Aくんのお母さんが手紙をくれた。

 

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お母さんからの手紙には「第一弾」と書かれていて、

はっきりと「第二弾」の存在を示していた。

何となく気になりながらも、日々は流れ、

私も半ばそのことを忘れ、普通に日々を過ごしていた。

そしたら、今日、突然「第2弾」はやってきた。

放課後、Aくんの担任のN先生が、手紙を持ってきてくれたのだ。

 

「にょん先生、Aくんのお父さんから手紙、来ました。」

 

放課後、声をかけてくれた。

 

「…でも、これ。めっちゃ分厚いですよ。しかも、『+母』って書いてます!」

 

封筒の裏を見ると、確かに、お父さんとお母さんのお名前が。

(これは、本気の「第2弾」やな。心して読まねば。)

私は、手渡された封筒を前に、気を引き締めた。

丁寧に封を開けると、そこには、ルーズリーフ5枚が折りたたまれて入っていた。

ルーズリーフを開くと、そこには、びっしりとお父さんからの文章が書かれていた。

 

拝啓、初夏の候、山々の緑も鮮やかではございますが、

にょん先生に置かれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。

ん?…固いな…やり直して…

山野先生、こんにちは、Aの父、Bです。

いつもAがお世話になっております。

また、この度はAに心のこもったお手紙をいただき、

誠に有難うございます。

Aにおいては、大人から手紙をもらうなんて事は

じいちゃん、ばあちゃん以外あり得ないと言っても過言ではないので、

いい経験をさせていただきました。

僕自身、久しぶりに自筆の手紙と書き手の思いがぎっしりと詰まった

内容に、読み終えて心がほっこりしました。

"先生と生徒"、"大人と子ども"、立場や世代を超えた関係を

音楽が紡ぐって素晴らしいですね。

僕が尊敬してやまない佐野元春の言葉を借りると、

"ポピュラー音楽のソングライターこそが現代の詩人で、

ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー"

つまり、ロック音楽は世代を超えた存在で、世代に関わらず

同じ感覚で楽しむことができるアートであるということです。

おおげさではありますが、

まさにロック音楽が世代を超えたと思いました。

 さて、Aと音楽ですが、彼は両親のエゴに付き合う形で

様々な音楽に幼少の頃から触れております。

車に乗れば音楽、旅行すれば音楽、家にいても音楽…

あっちこっちのライブやフェスに連れていかれてますが、

彼なりに楽しんでいるようです。

この間の日食なつこのライブも楽しかったようです。

さて、その日食なつこについてですが、

彼女の場合、僕が着目している点は、詩の世界の中心の深さに伴う

ピアノ演奏と歌唱力、表現力に尽きる。

イメージは大海原、深海に一気に潜る時に発する

マッコウクジラのクリック音のような儚さと言えば大げさか…

A推しの「水流のロック」における詩の世界観は、

ロック音楽の原点を現在進行形で表現し、

"詩とメロディーを見事に融合"させた結果、

生まれた曲ではないでしょうか?

メロディーだけでもダメ、詩だけでもダメ。

それぞれが接着されたはじめて成立する。

また、この曲におけるkomakiとのコラボレーションは、

この曲の完成には欠かせない。

ピアノとドラムのみで表現されているとは思えないほどの深さを

持ち合わせている(実はベースも録音されているが)

"歌ってほしいよロックンロール

踊ってあげるよscreaming dance

ここでふたり起こした逆流で

世界がどよめけばいいと思うんだよ、水流のロック"

というフレーズで歌われる"ふたり"とはまさに

日食なつことkomakiを指しているのではないか?

それはまるで映画「Easy Rider」でデニス・ホッパー

ピーターフォンダのような絶妙な関係

ロードムービーにも似た疾走感が魂を揺さぶる。

その証拠にこの曲ではkomakiがリムショットハイハット

自在に操り、音階のないメロディーを奏で、著しく変化する

リズムというウネリを彼女のボーカルと同期させ、

まさにドラムで唄っているとさえ思える。

そして、終盤のブリッジ部分で唄われるフレーズで

彼女なりのロック音楽に対するリスペクトは完結する。

"声を貸すからロックンロール

言葉を貸してよロックンロール

君のいつかのロックンロール

僕の声でもいいのならば"

(この後、再びkomakiのドラムが炸裂する!!)

皮肉にも今の学校教育の現場に置き換えると僕にはこう聴こえてしまう。

"先生の声を聞かせてよロックンロール

子どもたちの声を借りてよロックンロール

親もあの頃子どもだったよロックンロール

あなたの声でいいんだから"

教育現場の歪みをロックしてください。

先生にとって"ロック"とは何ですか?

僕にとっての"ロック"とは"世間の風潮や主流に対して「NO」と答えることができる精神"だと思っています。

教育現場における教師という立場は教育ヒエラルキー

弱者なのか?"NO"です。

教育現場における教師という立場は保護者の意見に忖度すべきなのか?

"NO"です。

教育現場における教師という立場は?

「Yes」を探してください。それが教師の仕事です。

子どもたちと共に過ごしてください。

子どもたちと共に探してください。

先生の時間が許す限り。

ということで改めましてお礼申し上げます。

本当にロックのこもったお手紙有難うございました。

長文乱筆お許しください。               敬具

 

 

ちなみに母は…(ここからはお母さん 笑)

「完ぺきな人生を欲しがる前に今日笑ったかどうかを確かめろよ」

ってとこが好きです。

子どもたちといっぱい笑ってあげてください!!

私はいつもAを怒ってばかりですが。

あ、あと、「きっとこいつならば人を割り当てても、生き抜いてくれると神様は、悩み似た挙句にボクらを選んだ」ってとこは、

苦しい事にも立ち向かえる気がして好きです。

いっぱい好きがありすぎましたね。

それでは、ホントにサヨウナラ。       母

 

…という手紙でした。

 

いやいや、圧倒された。

こんな熱量の手紙、人生でなかなか受け取る機会がない。

胸が熱くなった。

会ったこともないのに。

担任でもないのに。

 

でも、

 

本気が伝わるから。

 

この人は、本気だ。

本気で書いている。

文章のうまさ云々ではない。(いや、上手いけど…)

その熱量に当てられてしまった。

心に火をくべるような。

理屈じゃない。

どうしようもなく、心がうずく。

じっとしていられない。

動き出さなければ。

そう思わされた。

 

これも何かの縁なんだろう。

出逢いなんだろう。

これから先、これがどう転がるかなんて、全くわからない。

でも、とりあえず、私が心に感じたことを

またお返事にしたためようと思う。

まっすぐに伝えようと思う。

伝えたい。

 

音楽って、最高だ。

自分の中の最高が、何度だって更新される。

限界がない。

それがたまらない。

新しい人ともこうしてつながれる。

 

そして、何より、

Aくんのお父さん、お母さん。

ありがとうございます。

最高です。

すっげー楽しいです。

近いうち、またお返事書きます。

待っといてください。

そして、Aくん。

音楽トークしようね、絶対。