近況報告。 135
放課後、ベテランの先生とクラスのことで珍しく話し込んだ。
で、話していると、ポケットの中のスマホが、ブーブーと振動している。
「ああ、奥さんからかな。」
そう思ったが、もちろんベテラン先生の話をさえぎって、
スマホを見るなど、気が引けてできない。
私は、スマホの振動に気付かないふりをして、話をつづけた。
先輩との話が終わった後、ポケットからスマホを取り出した。
着信を確認する。
しかし、意外なことに着信ではなかった。
LINEメッセージの通知が画面に表示される。
…にしては、ずいぶん長いことブーブーゆうてたけどなあ。
不思議に思いつつ、LINEを開いて、ぎょっとする。
未読メッセージ130件。
え!?何かの故障!?バグ!?
わが目を疑った。
差出人を見ると、卒業生だった。
何のことはない。
ひたすら同じスタンプを押しまくる、
彼女ら曰く、「スタ連」というものらしい。
いたずらか?と思うが、最後にメッセージが添えられていた。
「先生、今、学校におる?」
在校の旨を返信すると、
「かも~ん」
とふざけた返事が返ってきた。
まさか!!
私は、自分の頭に浮かんだ考えを確かめるために、
急いでグラウンドへと出た。
そこには、自転車が2台。
LINEの主である卒業生が二人、そこにはいた。
彼女らは、以前の記事でも書いた子たちだ。
今日までに、すでに2回ほど学校に顔を出しに来てくれた。
暇なのか。笑
きっちり制服姿を見せに来てくれた律儀な子たちだ。
「今日は、どうしたん、急に?」と聞くと、
「あ、先生に報告したいことがあってん。」とのこと。
とりあえず、黙って聞くことにした。
「あんな、学校で英語のスピーチコンテストがあってんやん。
それで、クラスで10人ずつ代表が選ばれんねんけど、それに選ばれてん。
でな!その後の、各クラスの代表が集まって、みんなの前でスピーチしてんけど、
それでな、40人中、4位やってん!!表彰状ももらってん!!すごいやろ!!」
と、めちゃくちゃまぶしい笑顔で報告してくれた。
「それを、わざわざ先生に報告に来てあげてん。優しいやろ♪」
だそうだ。
照れ隠しで、最後にそう付け加えたんだろうけど、
いや、優しいよ。めちゃめちゃ優しいやん。
口にはしなかったけど。
その後、報告の用事は終わったけど、
そのまま居残り、結局7時ぐらいまで話し続けた。
どうやら、話が尽きないらしい。
でも、辺りもずいぶん日が沈んで来ていたので、お開きにした。
でも、また近いうちに来るらしい。
うれしいことだな、と思う。
言葉の端々から高校生活を謳歌している様子が感じられて、
とても幸せな気持ちになった。
何度だって言おう。
教師って、いい仕事やわ。笑