報告。 76
今日は、公立高校入試の結果発表日。
そうとわかっていたので、朝からそわそわしていた。
みんな、無事に志望校に合格しますように。
3年前に6年生で受け持った子たちは、この3月、中学校を卒業した。
今年度受け持つ子どもたちといながら、心の隅っこでは、
常に、「みんながんばれ。」とエールを送っている自分がいた。
「がんばれ。」ってもう試験は終わってるのに。
子どもたちを帰し、会議を済ませ、
年度末の残務処理を黙々と進めていた。
時刻は、5時になろうかという頃。
コンコン。
背後の職員室の窓を叩く音が聞こえた、気がした。
ふり返る。
ブラインドの隙間から手を振る卒業生が二人。
3年前、卒業させた女の子たちだった。
仕事の手を止め、外へ出た。
笑顔の二人が立っていた。
「先生!合格したで!!」
両手でピースサインを作って
それはうれしそうにうれしい報告をしてくれた。
こうして、わざわざ報告に来てくれるなんて、
本当にありがたいなあと思う。
教師冥利に尽きる。
一通り、入学が決まった高校の話を聞いて、
そこから思い出話に花が咲いた。
A「でも、先生はほんま変わらへんなあ。」
B「うん、変わらんなあ。」
私「いや、さすがに変わるで。もう35のおっさんやで。」
A「いや、そういうことじゃなくて、私らの担任の時と変わってないってこと。」
B「変わってないなあ。いい意味で。」
私「おっ、そう?素直にうれしいわあ。ほめられて。 笑」
A「あの時もそうやったけど、先生めっちゃ遊んでたやん。」
私「え、それってええの?一応、これでも頑張って仕事してるよ?」
A「ちゃうやん。そういうことじゃなくて!なんか『先生』って感じがあんまないってかさ。仕事って感覚あんまなくて、遊びと仕事がごちゃ混ぜになってたやん。今もやけど。それが全然変わってない。」
B「ほんま、それな。変わってるよな。先生って。もちろんいい意味でやで。」
うれしかった。
めっちゃうれしかった。
そして、そういうことを、
まっすぐな目で恥ずかしがることもなく、伝えられるこの子たちときたら…。
やっぱりいい子らやなあ、と思う。
中学に入って3年間、彼女たちなりに色々あって、
今も悩みを抱えてたりするみたいやけど、
それでも、当時と変わらない
まっすぐさ、優しさ、素直さ、を感じられて、
本当に幸せな時間だった。
A「先生に久しぶりに会えて良かった!やっぱり、私の中で、先生が今まで持ってもらった先生の中で一番の先生やわ。きっとこれからもずっと一番の先生やと思う。」
B「うん、私も。」
こんな幸せあっていいんだろうか。
私は、明日にでも死ぬんだろうか 笑。
ありがとうね、ほんま。
A「また、4月になったら、制服見せにくるわ!」
B「私も見せに来るわ!だから、まだ異動せんといてや。この学校におってな。」
明日からの毎日に、また新しい夢をもらった。
次に彼女たちが会いに来た時にがっかりされるような先生ではいられない。
だから現状維持なんてNG。
彼女たちは可能性にあふれている。
負けてられない。
どんどん自分を高めていこう。
新しいこと、難しいことにもどんどんチャレンジしていこう。
まだまだ成長できるはずだ。