小学校教員にょんの日々ログ

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14冊目「1分で話せ」 104

しばらく時間が空いてしまった。

本年度14冊目の読了はこちら。

 

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1分で話せ/伊藤羊

本のタイトルを体現したような表紙。

そのシンプルな表紙に惹かれて、購入した。

 

内容はと言うと、こちらもまさに帯の通り。

言いたいことはつまりこれずばりそのものである。

すごいなあ。

表紙の構成、帯の文章。

それらが全て、本の内容を見事に表現している。

表現と言うか、実践している。

「ほら、ね?こういう具合に。」とでも言われているようだ。

 

「結論」を述べ、その「根拠」を示すことで、

「左脳」を動かし、

「たとえば」で、具体例を示し、イメージを共有することで、

「右脳」を動かす。

 

その結果として、人は「動く」。

 

そう、これは、プレゼンをいかに成功させるかについて書かれた本だ。

職業柄、毎日人前で話す時間が一定ある。

そんな自分の話し方、

研究会などでのプレゼンの仕方を見つめ直す

とても刺激的な一冊だった。

 

「想い」が走りすぎて、結局何が言いたいのか伝わらない。

「ロジック」だけが際立っていて、心が動かない。

 

どちらもよくあることだ。

今の仕事でも、何度も経験がある。

この二つのバランスを取るのにいつも苦労する。

校内で何か改革を進めるときも、このバランスはとても大事だ。

でもこれまで、そのバランスは、

正直、自分自身の肌感覚頼みだった。

そう考えるエビデンスが明確でなかった。

しかし、この本を読んだことで、そのあたりの感覚が

言語化され、整理された。

 

そして、ただのプレゼンのハウツー本に終わっていないところも良かった。

「プレゼン」の目的とは何か、その本質を見落としていない。

「プレゼン」は、人を説得し、動いてもらうために行うものだ。

こうして、言葉にすると、

「そんなこと、当たり前だろう。」と思ってしまうが、

案外、ここが抜け落ちていることが多かったな、と自分自身思う。

「プレゼン」の出来自体に、自分自身満足してしまった経験が

少なからずあるからだ。

プレゼンそのものの出来は、副産物でしかない。

つまり、プレゼンの結果、その相手が「動いて」ナンボなのだ。

どんなに感動的なプレゼンでも、そのプレゼンがきっかけとなって、

誰かの何かを動かし、それが現実世界で行動にならなければ、

その「プレゼン」は、大きな意味で「失敗」なのである。

だから、プレゼン本番だけではなく、

その前の準備や根回し、プレゼン後のフォローやプッシュ、

そういうことまで含めてプレゼンととらえる必要がある。

 

授業でスピーチなどに取り組む際にも、

子どもたちにフィードバックできる考え方だなと思った。

 

もっともっと、目的に、相手に、

貪欲でなければいけない。

「プレゼン」はそのための手段でしかないのだ。

そのことを忘れたプレゼンは、

形骸化されたただの自己満足に成り下がる。

それを心に刻んで、子どもたちの指導に当たると共に、

自分自身もその核心を心に刻み、

「1分で話す」ことを意識していかなければいけない。

 

 

そういえば、SHOWROOMの前田裕二も、似たことを言っていた。

「「『君の名は』の内容を1分で話して」って言われれば話せます。逆に、1時間話してって言われても話せます。要は、その映画の面白さの本質はどこにあるか、抽象化する過程で言語化するんです。それができれば、あとは、与えられた時間に合わせて肉付けして話せばいいだけなので、何とでもなります。」的な。

 

「メモの魔力」の中で、そんな記述があったはず。

 

んー、やっぱり、大事なことというのは、

真理と言うのは、ひとところに収れんされていくものなのかなあ。