コーチング講座その2。 196
9月8日に、みん職のオンライン講座「『自分たちで学ぶ力』を育てる!実践コーチング講座」を受講したので、そのふり返りをしようと思う。
今回のテーマとして挙げられていたのが、「職員室でのコーチング」。
んー、すごく大事だ。
しかし、難しい。
それは、なぜか。
先生たちそれぞれに、それぞれの主義・主張があるからだ。
時に、それがぶつかったり、折り合いがつけられなかったりする。
だから、難しい。
でも、だからこそ、目的の確認が重要である。
互いの考えを対話し、問いかけながら、目的を共有していく。
目的を共有するためには、相手と自分のニーズを明確に強し、合わせていく作業が必須だ。
そのために、相手に寄り添う質問力が必要になる。
問うことで、相手がどんな言葉を持っているのかを把握し、そこを足掛かりに互いのニーズのすり合わせをしていく。
「そもそもどんなことがしたいのか」
「どんな学校にしたいのか」
「どんな子どもに育てたいのか」
目的を共有することで、はじめて、「じゃあどんなことを追求していこうか」という話ができる。
けれど、現場でここのすり合わせがきちんとできていないことが本当に多い。
目的の共有が本当にきちんとできていないままで、様々なことが進んでいく。
何となく耳障りのいい言葉でまとめて、共有した気になる。
でも、そこで共有されている言葉一つ一つのイメージは本当に明確に共有されているのか。
大事なのは、一人一人が一つ一つの言葉に持っているイメージが同じかと言うことだ。
時間はかかるが、問い続けることが大切だと聞いて、本当にその通りだなと思った。
今からでも遅くないから、自分の職場でもていねいな対話を積み重ねていこうと思った。
そして、この対話をしていくときに、使える質問力として、「チャンクダウン」と「スライドアウト」の二つを教えてもらった。
チャンクダウンとは、具体化することであり、質問としては「具体的には?」と問うことで、行動を促進することができる。
スライドアウトは、視野を広げることであり、質問としては「他には?」と問うことで、新たな見方を増やすことができる。
イメージ的には、チャンクダウンが、深く掘り下げていく縦のイメージで、スライドアウトが広く多角的に物事を見ていこうとする横のイメージ。
この二つを組み合わせることで、深めたり、広げたりといったことが容易にできる。
様々なレイヤーのアイデアが出てくるのである。
とても便利である。
しかし、同時に、これを使いこなすには、今、対話がどの層のどのあたりについて進んでいるのか、現在地を把握する力が必要ではないか、と感じた。
現在地がきちんとわかっていないのに、むやみに「チャンクダウン」や「スライドアウト」を使ったところで、迷子になるだけだ。
だから、共有と、この「チャンクダウン」「スライドアウト」は、常に互いを行き来して、スパイラルに進んでいくものなのではないかと思った。
みんなで現在地をその都度共有しながら、チャンクダウン・スライドアウトを活用しながら、着地点を探して進んでいくのである。
そういう風に、対話を進めていければ、本質の共有ができていくのだろう。
最近、今まで以上に、本を買い漁って読んだり、このみん職のオンライン講座で学んだり、いろいろなところに出かけて学んだりすることに時間をかけている。
それ自体、すごく刺激があって、学びになっている実感があるし、見方や考え方が広がったり、深まったりしていることもたくさんある。
でも、忘れないようにしなければいけない。
どこまでいっても、それは目の前の子どもたちのためにあることを。
目の前の子どもたちの実態を出発点にしないといけないことを。
そして、その目の前の子どもたちの実態から始めるために、職場の同僚を大切にし、そこでの対話を大事にしなければいけないことを。
いくら学んでも、それが子どもたちへの最適なアウトプットとしての実践につながらなければ意味がないことを。
傲慢になるな。
謙虚でいろ。
誠実に進もう。
焦るな。
コーチングもとても便利で、汎用性が高く、有効な手法の一つであることは間違いない。
でも、あくまで手段。
どこまでいってもそれは手段に過ぎない。
だから、大事なのは「在り方」。
教師として、「どう在るか」。
その「在り方」に手段が乗った時、教育は成立するんだと思う。
コーチングの手法を通して、教師としての自分の在り方を考えた1時間だった。