小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

learn × creation⑦ 170

2日目の最後に選んだのは、

 

「対話的な問題解決力向上プログラム」体験講座。

 

参加してから気付いた。

これは、中高の先生向けのワークショップ。

でも、参加してしまったからには、もう後には引けない。

…というか、違う。

そんな後ろ向きな心持ちでは、

学べるものも学べない!

そう、自分が「どう学ぶか」!

それを忘れてはいけない。

そう自分に言い聞かせ、

当然中高の先生だらけの中、ワークショップはスタートした。

 

このワークショップはベネッセコーポレーションが主催。

 

実際に起きた裁判をモデルにして、

裁判で争う二人の主張を聞き、最終的に解決策を生み出す、

という流れ。

 

ワークの最後に明かされたが、これは実際にあった事例をもとにしているだけあって、非常にリアリティがあり、より現実社会に近い場の設定になっていることが面白かった。

 

ワークの流れに沿って、まとめていく。

【STEP1】自分の主張を考える

ここでは、賛成/反対の立場を明確にし、判断の理由を説明することが求められた。

心の中では、「うわー、他の先生と意見ちがったらどうしよう…。」とか「え…そのぐらいしか見てないの?浅いなあ…。」とか思われたらどうしよう…。なんて考えてた。自分にかかっているバイアスに嫌気がさす。

でも、それと同時に、中高生だけじゃなくて、小学生でも、周りを気にして、自分の意見を言えない子、なんとなく当たり障りのないことで収める子、いるよなあって思う。

そこで自分の本当の意見を言えなければ、それは個人じゃなくて、もうその場自体が、ベストの状態ではないことになってしまう。

つまりそれって、目の前の問題の解決に向けて、いいスタートを切れないってこと。

ここで、本音の意見を互いに心置きなく出させるためにはどうすればいいんだろう。

普段からの学級経営や、教師の声掛けは重要だろうなあと感じた。

 

【STEP2】他者の視点に立つ

次に、先ほど、自分が立ったのとは逆の立場で、主張を考えてみる。

このSTEPでのポイントとして示されたことが、印象に残っている。

 

「建設的な平行線を作れているか」

 

想像することの重要性がここにある。

想像することで、相手の背景にある論理構造に気づき、

それによって、置かれている状況を、

自分の立場よりもう一歩大きな俯瞰で見るのである。

 

【STEP3】ステークホルダー(利害関係者)分析

ここでは、裁判の当事者以外に

数多く存在するであろうステークホルダーを洗い出し、

それぞれどちらの立場を支持しているだろうかということを、

相関図に表していく。

もちろん、想像で構わない。

思いつく限り出して見るのである。

そうやって、様々な視点に立って物事を考えてみることで、

自分の立場では見えなかったことが見えてくるかもしれない。

実際、グループで対話を重ねながら、ステークホルダー分析を進めると、

「ひょっとしたら、~かもしれない」と、

自分と反対の立場の側の考えの背景に思いが及び、

自分のスタンスが少しずつ揺らぎ、変わるのを感じた。

これも、自分→相手→関係者と、

徐々に俯瞰する範囲が大きくなっている。

 

【STEP4】もう一度、自分の主張を考える

STEP2・3で、課題の解決に向けた材料がほぼ全て出そろったので、

それを踏まえて、自分の主張を改めてはっきりさせる。

考えてみてわかったが、

最初の主張に書いてあることから、

ずいぶんと主張の内容に変化が見られた。

対話を重ねることで、自分の中の考えがアップデートされたからだ。

 

最初こそ、自分の意見が周りからどう思われるのか、

ネガティブな感情だったのが、

対話を通して、そうしたネガティブな感情は、

気付けば、どこかに消えていた。

 

もちろん、そこには前提として、

安心・安全の保障が必要である。

それをなくして、そもそも対話は成立しにくい。

声の大きな一部の子が個人的な意見で進めたり、

互いの意見の反発を恐れて、消極的に無難な意見で妥協したり…。

 

安心・安全の場の設定の土台の上に、

「批判的な意見を出してもいい」「人と違った意見を言ってもいい」

と思える感覚が芽生える。

自分と意見が違うことを、簡単に「対立」ととらえ、

やりこめることに盲目的になってしまうと、

問題の本質的な解決には、なかなかたどり着けない。

だからこそ、互いに相手の意見を受け止め、

対話を重ねることが、最も良い意思決定につながっていくのである。

 

小学校でも、意見文を扱った単元があったりするので、

アレンジをすれば、課題解決における対話の重要性を学べる

いいアプローチ方法になるのではないかと思った。