オリジナルゆるキャラ 50
記念すべき50個目の記事に、この内容。
そのくだらなさ、控えめに言っても最高だ。
ある日の終わりの会でのこと。
「他に何か言いたいことはありませんか?」
日直がいつものセリフを言うと、ある女の子が手を挙げた。
日食に指名された彼女は、席から立った。
手にはなぜかB4より少し大きめの白い画用紙を持っていた。
「えっと、クラスのゆるキャラを作りたいんですけど、いいですか?」
そう言って掲げた画用紙には、ゆるキャラらしきキャラクターが描かれていた。
クラスの子どもたちは、口々に
「いいやん!」「いいんちゃう?」と肯定的な反応だった。
そんなわけで、クラス発のゆるキャラが誕生した。
ゆるい!
独特に、かつ、絶妙にゆるいではないか!!
まさに「ゆる」キャラ!!
そして、この圧倒的な簡単さ!
誰でもマネできる!!
再現性が極めて高い!!
それでいて、いまだ同じものを見たことがない。
全てにおいて、「ゆるキャラ」としての条件をそろえているように見えた。
なんだか子どもたちと同じか、
それ以上に私もめちゃくちゃ愛着を感じている。
吾輩はゆるキャラである。名前はまだない。
そう全てが真っ白。この体のように。
そんなわけで、クラスで「ゆるキャラプロジェクト」が立ち上がった。
すっごく面白くなりそうなにおいを感じた私は、
子どもたちのワクワク感の芽を育てるために、
その起爆剤の作成に取り掛かった。
必要なものは全て百均に揃っている。
買ってきた材料を加工し、翌日の休み時間、完成させた。
人形、作っちゃいました。
子どもたちは、これ見てテンション爆上がり。
起爆剤、うまくその役目を果たしてくれたよう。
そして、朝の時間や給食を食べ終わった後の時間など、
すきま時間を活用して、このゆるキャラのプロフィールを設定していった。
みんなで案を出しながら、決めていく作業には笑顔があふれ、
とても楽しいものだった。
一つ決まるたびに、ゆるキャラに命が吹き込まれていくようで、
本当にゼロから何かを生み出している感覚があった。
以下、現在決まっているプロフィールを紹介する。
名前:もっち
年齢:10歳
誕生日:1月1日
性別:男
好きな食べ物:もち
特技:カメレオンのように、体の色を自由に変えられる
好きな色:白
趣味:もちつき
口癖:語尾に「~っち」がつく
性格:おっちょこちょいのおこりんぼうで、やきもち焼き
愛着はわく一方だ。
ついに、どうせなら「テーマソングを作ろうぜ!」ということになった。
現在、子どもたちから「歌詞に入れたい言葉」を募集中で、
かなりの量が集まってきた。
みんな思い思い、好き勝手に書いているので、
今後どう一曲に収束させていくのか、頭が痛いところもあるが、
それよりもワクワク感がはるかに上をいっている。
曲ができたら、みんなで歌ったやつを録音して、
ガレージバンドのアプリで編集して、
ドラムとかベースとかも入れて…
夢はふくらむばかりだ。
このクラスに残された時間はそう多くない。
でも、子どもたちと一緒に、
全力で楽しんでやり切りたいと思う。