2冊目「3分間コーチ」 31
ひゃーっ!!
先週、はちゃめちゃに忙しかったことを言い訳にして、
ブログ更新をさぼってしまった。
いかんいかん、続けなければ。
アウトプットをやめちゃだめだ。
自分に言い聞かせる。
今年度2冊目の読書を完了しました。
その本がこちら。ずーん。
著者は、日本人として初めて国際コーチ連盟(ICF)よりマスター認定を受けた日本のコーチング界におけるパイオニア的な伊藤守さん。
この本を買うに至ったきっかけが、職場の1人の後輩だった。
彼女は、初任から3年目の若手だ。
これまでなかなか仕事がうまくいっていないようで、
いつもトラブルの対応に追われている。
表情も暗く、放課後、一息つくと放心しているようなこともしばしば。
そんな彼女と、今年向かいの席になった。
今まで、同じ学年ブロックになったことがなかったこともあり、
先輩として、後輩の育成という視点で彼女の仕事ぶりを見て、
アドバイスをしたりということがあまりなかった(情けない)。
今年、向かいの席で見ている彼女は予想以上に疲れていた。
困っていた。
彼女がこの仕事に希望を見出し、自身の力で仕事をこなしていけるように育たなければ、
いずれは、「〇年生は、私には荷が重いので持てません。」などと言い出すような教員になってしまうかもしれない。
それは、学校全体にとって、百害あって一利なし。
少なくとも、そう考えている今の自分からまず動き出さなければ。
そんなことを思って、本屋に立ち寄った時にたまたま見つけて、
心が動いたので即購入した。
どうすれば、部下は自分から意欲的に動いてくれるのか。
しかし、そこに至るにはまず、部下が意欲的に動きたくなるしかけが必要になる。
その仕掛けの一つとして機能するのが、コーチングの手法。
そんな感じだろうか。
部下が動きたくなるのは、お金や恐れからではない。
好意や信頼から進んで仕事がしたくなる。
その好意や信頼は、コーチングの手法によって、
まず部下と話す時間を作ることから始まる。
その中で、現状を整理したり、
外部から新たな視点を与えたり、
行動を承認したり、
ビジョンを共に作ったり、
的確なフィードバックを与えたり、
問いを共有したり、
そうしたことを積み重ねて、最上位目的である
部下の意欲的な行動を引き出すのである。
部下との会話は、まとまった長い時間でするのではなく、
日々の様々な場面の中で、「3分間」で行う。
だから、続く。
続くから改善に向けて意識的であり続けることができる。
ここでも、「続ける」ことの重要性が。
最初に、この本を買ったのが職場の後輩の育成のために、
何かヒントになるのではないかということがきっかけだったと言った。
しかし、
いや、もちろん、そのきっかけにも十分に応えてくれる内容だった。
しかし、読んでいるうちに、頭に浮かんできたのは、クラスの子どもたちだった。
この手法、そのまま、子どもたちにも転用できるじゃないか。
途中から、頭の中では、どうすればクラスの子どもたちに転用できるかを考え始めていた。
中でも、「アクノレッジメント(承認すること)」の部分には強い共感を覚えた。
これは、「教えたり注意したりするのではなく、よく観察していて、本人さえも気が付いていないかもしれない言動や行動に「それだよ!」と伝えること」だと紹介されていた。
ほめるのではなく、事実を事実として伝えることで、方向性を示すのだ。
近年、ますます教員のファシリテーターとしての素質が求められている。
このアクノレッジメントの考え方は、生活指導や学習指導など、幅広い場面で応用が利くように思う。
「答えは初めからその人が持っている」のだ。
だから、わざわざ教える必要はなく、自身で気付けるようにリードする。
そんな感じだろうか。
早速、日々の仕事の中で実践している。
きちんとアクノレッジメントするためには、しっかりと観察していなければならない。
今まで以上に、子どもたちを、後輩を、観察するようになった。
そして、事実を事実として、できるだけ主観を入れず、伝えるようにしている。
おかげで、本人が自分で気付いてくれる場面も増えた。
感情的に指導することも必要なくなり、非常に精神衛生的にも互いにいい。
すぐに具体的な実践に落としこむことができるテクニックの詰まった
とてもステキな1冊だった。