小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

尾行の結末 19

昨年の10月ごろからだろうか。

休み時間になると、クラスの4人の女子に尾行されるということが続いた。

どこへ行ってもついてくる。

それもこっそり。

まあ、バレバレなのだが 笑

気になってふり返ると、ササっと物陰に隠れる。

私がまた前を向くと、ついてくる。

「だるまさんが転んだ」状態。

職員室で仕事をしていても、

少し開いたドアの隙間からこちらの様子をじーっとうかがっている。

 

気になってしゃあない。

 

だから、何度か逆にそちらへ出向いた。

すると、逃げる。

追いかける。

逃げる。

追いかける。

逃げる。

追いかけるのをやめる。

ついてくる。

 

んー。

 

そんなことが2学期中続いた。

何が楽しいのかはわからない。

けど、ちょこちょこ

「なぁにぃいいいい……?」

とかゆうて、バイオハザード風に(そんなんちゃうわ)追いかけると、

「キャーッ!」とか悲鳴を上げながら笑って逃げていくから、

私は私で、それを楽しんでたりした。

 

そして、年は明けて、3学期。

2学期にあったそんなやり取りもすっかり頭から消えていた。

 

給食も始まって、3学期初めての昼休み。

教室でギターを弾いていると、

2学期私を尾行していた4人のうちの1人が折り紙を渡してきた。

見ると、裏に暗号のようなものが書いてあった。

解読を試みるも、情報があまりに少なすぎて、わからなかった。

いや、そもそも暗号として成立していたのかもわからない。

子どもたちの作る暗号には、往々にしてそういうことがある。

暗号解読を試みながら、ギターを弾いて、子どもたちにちょっかいをかけられしていると、掃除時間になった。

暗号のこともすっかり忘れて、掃除に没頭していると、

教室の後ろに置いてあるカゴの下から変なものが見つかった。

 

「にょんを、ちょうさせよ!」

 

と書かれた報告書。(呼び捨てかい)

表紙には他に、ご丁寧に報告者の氏名が記されていた。

2学期に私を尾行していた女子4人だった。

 

「なるほど。これを書くために尾行してたってわけね。」

 

そして、どうやらお昼休みの暗号は、

この報告書の隠し場所を示したものだったようだ。

答えから逆算すると、暗号と合致した。

この日は、ちょうど5時間目が空き時間だったので、

職員室に戻って、報告書を読んだ。

以下、いくつかその報告書の中から抜粋して紹介する。

(報告書は折り紙全25ページで、なかなかの分厚さ)

 

10月某日 昼休み

にょんをよく知ろう。①

①給食を運び終わったら、まずトイレに行った。

②給食を運ぶのを手伝った?

③教室に帰った。

④見つかった…

わかったこと「にょん先生は2回給食を運んでいる。にょん先生はよくうろちょろする。(むずかしい)」

 

10月某日

にょんをよく知ろう。⑥

①職員室

②印刷室

③追いかけられる。

④印刷室

(みんなに「にょんT」と呼ばれている)

ふりかえり

・今日は何回も職員室に行っていた。(もうバレバレだ‼)

・今日は何回か追いかけられた。

・印刷は学級通信だったか、今日は学級通信2枚しかない‼

 

11月某日

にょんをよく知ろう。㉔

①「つまんない」って言った。

②少し追いかけられた。

③「もうゆるさん」と言った。

ふりかえり

・前よりは面白くなった。

・面白くない。

・まだ面白くない。

・もっと追いかけてほしい。

※このふりかえりには、それぞれの名前も書かれていて、

 一言ずつふりかえっているようだ。

 

 

 

いや、おもろすぎるやろ。

何なの、あなたたち。

最高か 笑

 

もっとシリーズとして続けてほしい思い半分、

でも、そうなるとずっと尾行が続くのかあと億劫な気持ちが半分。

 

現在、尾行は止まっている。

もう、ブームが去ったのかもしれない。

彼女たちにとって、尾行していた私は「過去」

それでいい。

それがいい。

どんどん前に進んでいっておくれ。

人生を面白がっておくれ。

その柔らかな頭で。

素直な心で。