12冊目を手に入れる。 87
石垣島旅行からの帰り。
私は、気が気じゃなかった。
なぜかというと、
帰りの飛行機で読む本がなかったからだ。
家から持ってきた本「メモの魔力」と「散歩する侵略者」は、
行きに読んでしまった。
帰りに何か買おうと思っていたが、
朝ゆっくり寝ていて時間がギリギリ。
レンタカーを返して、すぐに空港に向かう状況だった。
しかし、空港についても私はあきらめていなかった。
空港のお土産店をくまなく探す。
ない…ないやないの!
そして、非情にもフライト時間は迫り、
とうとうチェックインゲートをくぐってしまった。
ああ、さすがにもう無理か…。
そう思った私の目の飛び込んできたのは、
売店!!!
まだあった!!
隅々まで探す。
すると、ついに探していたものを見つけ出すことに成功した。
本だな!!
でも、ちっさ!!!
一人暮らしのベッドわきのドリンク用冷蔵庫か!!
その小さな本棚の中の、
さらに小さな小説コーナー。
もう正味10冊ぐらいしかなかった。
けど、ここで買わなければ、
帰りの飛行機の中、
2時間半やることない!!
そう思い、迫るフライトまでのわずかな時間で、
真剣に選んだ。
最終候補は、
「七つの会議/池井戸潤」と「十二人の死にたい子どもたち/冲方丁」
の二冊。
どちらも映画化された原作である。
迷いに迷った。
その結果、
「七つの会議/池井戸潤」に決定!!
最終的な決断の理由は、
表紙に採用されていた野村萬斎がめっちゃかっこよかったから。
実にくだらない理由だとは自分が一番思っているが、
人間、本当にイーブンな二つで悩んだときって、
案外、そういう部分で決めちゃったりするもんだろう。
と、割り切って購入。
空の上での懸念が消えたので、
安心して搭乗機に乗り込んだ。
「さあ、読むぞー!!」と気合が入った。