小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

38冊目「泣きたくなるほど嬉しい日々に」 238

今年度38冊目の読了本はこちら。

 

泣きたくなるほど嬉しい日々に

泣きたくなるほど嬉しい日々に

 

 

バンド「クリープハイプ」のボーカル、尾﨑世界観のエッセイ本。

本人曰く、「自己啓発本」ならぬ「事故啓発本」だそうだ。

 

クリープハイプが好きだ。

最初に聞いたときは、「なんじゃ、この声!」と衝撃を受けたのを覚えている。

しかし、それからあれよあれよとクセになり、新譜は必ずチェックするようになって久しい。

 

150ページ程度でさっと読めた。

読んでみて思ったのは、「圧倒的な自分モードだなあ」ってことだった。

先日、37冊目に読了した「直感と論理をつなぐ思考法」の影響があって、今の自分は、だから、きっとそんなことを考えるんだろうなあと思う。

読んでいて、清々しいくらいに「他者の言葉」がない。

「どこかから借りてきた言葉」とでも言おうか。

そういうものがない。

 

「いやいや、アーティストでしょ?そんなこと、当然じゃないの?」と言われそうな気もする。

でも、その圧倒的なまでにひたすら自分の言葉で語られた文章たちは、やけに生々しくて、汚くて、醜くて、支離滅裂で、「なんじゃこりゃ?」と思う部分もある。

でも、そんな文章がどうしようもなく、美しいと感じる瞬間が確かにあって。

なんかわからんけど、どうしようもなく揺さぶられる感情があって。

それは、本当に言葉で説明できないけれど、きっと自分の記憶のどこかにしまってある思い出だったり、感情だったりと共鳴してるからなんだと思う。

 

これだけ情報があふれていて、気を抜くと、すぐに「他人モード」で考えてしまうような世界の中で、「自分モード」で考えることの価値に気づかせてくれる本だなあと思う。

「自分モード」で語られる個人的なエッセイたちは、自分に刺さるところと刺さらないところの振れ幅が大きい。

でも、それがいいんだとも思う。

平均値を狙うんじゃなくて、ほとんど空振り三振でも、逆転満塁ホームランがどこかに潜んでいるような、そんな感じ。

「尾﨑さん、よいしょよいしょで大事な場面があるじゃないですか」と「exあやっち」の二つのエッセイが、個人的にすごく好きだ。

自分の経験とは全く重なる部分がないはずなのに、感情が激しく揺さぶられた。

特に、「exあやっち」の中で、あやちゃん(誰なのか知らない)が言った生前の言葉に。

 

「あんたは絶対に成功する。あたしが保証する。こんなに良い歌を歌ってるんだから大丈夫だよ。」

 

なんて力強い肯定だろう。

「世間?社会?知るかそんなもん。なめんなよ。絶対いいんだよ。間違いないんだ。」

そんな声が聞こえた気がした。

 

自分は、子どもたちの存在を無条件に承認できているだろうか。

そんなことも考えた。

 

読み終わった今、タイトルが刺さる。