小学校教員にょんの日々ログ

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34冊目「MISSION DRIVEN」 209

今年度34冊目の読了はこちら。

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「MISSION DRIVEN/さる先生 こと 坂本良昌」

Twitterで大人気のさる先生の新刊。

実は、前作の「全バカ」は本屋で立ち読みしたバカやろうです…。

 

買ったその日に、あっという間に読めてしまった。

「教育の生産性を上げ、教師も子どももハッピーに」をミッションに掲げ、現役小学校教員として活躍しているさる先生。

「全バカ」は立ち読みだったけど、その恩恵はちゃっかり受けている。

テストをしたら、その場で〇つけしてしまって、返却・分析・やり直しまで終わらせる手法や、アーリーショケナー(普段から通知表の所見を少しずつ書き溜めてき、繁忙期をずらす)など、色々ある。

さる先生、本当にありがとうございます。

教育現場には、議論なき前例踏襲や「子どもたちのため」というパワーワードにより増え続ける仕事など、上からおりてくる事務仕事以外にも、教員自身で首を絞めてしまっている仕事がたくさんある。

どの職場でも大なり小なり同じような状況があると思う。

少なくとも、私が働く市町村では、そうだ。

そこに、現場からできる改革として、さまざまな具体的実践を提案したさる先生の功績は大きい。

さる先生が、教育界という水面に投じた一石が、少しずつその波紋を広げているように感じる。

波紋を受け取った先生たちが、全国で草の根的に、次の一石を投じる者になり、そうして少しずつ広がってきたのだと思う。

でも、こうした実践は、「手段」に過ぎない。

それが「目的化」してしまっては元も子もない。

そうやって、生産性を高めたことによって、生み出された時間をどう使うかということが重要な部分だ。

家族のために使ったり、自分の学びのために使ったり、それは、人によってもちろん違う。

けれど、そうやって、「重要かつ優先順位も高い」や「重要だけれど、優先順位は低い」という本来一番腰を据えて取り組むべきことに使える時間を生み出すのだ。

そんなことを訴える さる先生が、どうして先に書いたようなミッションを持つに至ったのか、その過去・現在・未来がかなり赤裸々に描かれていた。

具体的実践も本の最後にコンパクトにまとまっていて、全バカを立ち読みしたバカやろうにも、優しい構成。

でも、本編は、教育書というより自伝的小説といった方が近い。

けれど、同じ仕事をしているだけあって、そのストーリーには共感ポイントが山ほどあった。

教員に転職する前のさる先生の学生時代にも、びっくりするぐらい共感した。

私も、死ぬほどダメ学生だったから。

でも、バイトから店長に昇格したさる先生の方がよっぽどしっかりしてる。

 

Twitterで発信を続けてきたさる先生は、全バカでその認知度を決定的なものにし、少しずつ貯めていった信頼を確固たるものにしていった。

その信頼があるから、今回の著作に手が伸びた。

今回は立ち読みじゃあだめだ!って 笑

みん職で直接講座を受講したことも大きかった。

やっぱり顔を知っていて、直接話を聞いたことがあるってすごいでかい。

だからこそ、そのストーリーに現実感があって、共感が大きい。

まさに、信頼経済そのものですやん!と思ったり。

 

なんやかんやブラックだと言われ続け、最近暗いニュースが多い教育界だけど、それもさる先生がファクトフルネ!スと言ってるように、一般化の罠に陥ってはいけないなと思う。

だって、現に私は、この仕事が好きで好きでたまらない。

うまくいくことなんて少ないし、自分の未熟さに、ほとほと嫌にもなるけど、それでもこんないい仕事はない。

それは、心の底から思う。

 

で、「ミッション」だ。

「ミッション・ドリブン」とは「自分の中のミッションに突き動かされて進んでいく生き方」のことを言う。

 

私にとっての「ミッション」はなんだ?

 

「子どもたちが未来を幸せに生きていける力を育てること」だろうか。

 

まだまだ解像度が低いなあと、お恥ずかしい。

でも、問い続けていくしかない。

それを忘れた時、教師としての自分は死んでいく。

それだけははっきりわかる。

 

リヒテルズさんの講座でも、自分の「在り方」に対する問いが刺さった。

さる先生の今作にしてもそうだ。

それぞれの「在り方」がすごく多様で、重要な時代。

私はどう「在るか」。

自問自答は続く。

 

これからも続く仕事のカンフル剤になるような一冊だった。

明日からも、コツコツやっていこう。