小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

修了式① 79

昨日は、子どもたちとの最後の一日だった。

 

その前日、誰もいない教室にこもって、初めて黒板アートをした。

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初めてにしては、うまくできた。

子どもたちの驚く顔を想像してたら、楽しくって、楽しくって、昼ご飯を食べるのも忘れ、気付いたら3時間が経っていた。

 

修了式は、滞りなく終わった。

2列に並んだ子どもたちの姿を後ろから見ていて、

「大きくなったなあ。」と思った。

 

式終了後、教室に帰った。

私は、一旦職員室に戻って、最後の学級通信や配布する手紙を取って、教室に向かった。

休み時間も含めて、その間20分くらいだったろうか。

教室の前まで来ると、電気が消えている。

子どもたちのにぎやかな声が一切聞こえない。

ドアを開けた。

男の子が2人、ドアを開けてすぐのところにスタンバイしていた。

声をそろえて、座っているみんなに合図をする。

 

「せーの!」

 

 

「にょん先生、1年間ありがとうございました!」

 

 

すごく気持ちが伝わってきた。

「今日で、にょん先生と、このクラスと過ごすのは最後だ。」

そういう気持ちが一人一人の声や表情に出てたから。

 

「ありがとう。」

と突然のことに、気の利いた言葉も出ない私。

そんな私をよそに、子どもたちは、

自分たちの計画をどんどん実行に移していく。

 

「はい、主役の先生に渡したいものがあるから前に来て。」

 

うん、わかった。

 

「そこに立って。」

 

うん、わかった。

 

 

「クラスのみんなでにょん先生のために作りました。」

 

女の子が二人出てきて、きれいにラッピングされた袋を手渡された。

お礼を言って、袋を開ける。

と、そこには、一枚のTシャツが入っていた。

 

白いTシャツには、みんなからのメッセージが書かれていた。

 

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表。塗りつぶしているところには、クラス全員の出席番号とイニシャルが。

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裏。色々なメッセージが。

「着て着て!」

とせがまれたので、スーツの上から着た。

この温かさはきっと、

春のせいでも、

服の枚数のせいでもないんだろう。

 

心の温度が上がるのを感じる。

 

いつこんなもの準備したんだろう。

一度もそんな場面に遭遇したことがない。

きっと、この子たち持ち前のチームワークで

うまくやったんだろうな。

 

これだけでもう十分すぎるほどの気持ちをもらったが、

子どもたちの計画にはまだ先があった。

 

「もう一つ、先生へプレゼントがあります。」

 

今度は別の子が前へ出てきた。

 

「みんなで先生への感謝の気持ちで書きました。」

 

そう言って、一冊のノートを手渡された。

 

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メッセージノート

画用紙を貼り合わせた手作りノート。

中を開くと、一人一人からのメッセージが書かれていた。

 

「これ、読んだら絶対泣いてまうやつやん。」

直観的にそう思ったので、

「あとで、じっくり読ませてもらうね。ありがとう。」

そう伝えた。

 

 

修了式。

子どもたちにどんな話をしようか。

そんなことを前日から、

いや、もう少し前から頭の中でぐるぐる考えていた。

けど、ふたを開けてみたらどうだ。

もらってばっかじゃないか。

小さいな、自分。

そして、すごいな、子どもたち。

こんだけ、伝えたい気持ちを

まっすぐに、強く、伝えられるんだもの。

教わるばかりだ。

あなたたちは、先生の先生です。

 

サプライズが済んだ後、

成績表を一人一人渡して、

必要な手紙を配り、

学級通信を配った。

やらなければいけないことを

次々こなしていると、

あっという間に最後の時間はやってきた。

チャイムが鳴る。

ここで、このクラスは解散だ。

最後に、子どもたちに話をした。

全員、体ごと私の方を見て、

全身で話を聞こうとしていた。

 

 

「ステキなサプライズありがとう。

 そして、この1年間本当によくがんばったね。

 4月に出会って一年。

 みんなのそばで、みんなの成長を、

 底の見えない可能性を、

 見てこられたことは、

 何物にも代えがたい幸せでした。

 今日でこのクラスは解散です。

 でもみんなの人生は続いていきます。

 先生の人生も。

 この一年で得たもの、

 成長した自分、

 見えた可能性を手に、

 これから先の日々も思い切り楽しんでください。

 楽しめるかどうかは自分の気持ち次第。

 いつも先生が言ってきたことです。

 みんなは楽しもうとすることにかけては、

 はっきり言って天才です。

 だから大丈夫。

 これからも楽しもうとする気持ちを忘れないでね。

 4月からは、新しいステージが待ってるね。

 先生にも。

 先生は、今日でみんなの担任じゃなくなるけど、

 4月からは新しいクラスの担任として、

 今年のみんなと作ったクラスに絶対負けへん

 最高に楽しいクラスを作るつもりです。

 だから、みんなもそれに負けへん楽しいクラス作ってください。

 そうやってお互いに自分の中の「最高」を

 更新し続けていこう。

 そしたら、きっとこの学校ももっといい学校になると思います。

 ありがとう。

 すっごい楽しかった。

 最高でした。

 またね。」

 

 

多少、言い方ちがうところもあったと思うけど、

そんなことを話して終わった。

けど、途中から涙がこらえられず、

ぐしゃぐしゃになりながら話してた。

子どもたちもあちこちで泣いていた。

卒業ってわけでもないのに 笑

 

どこまで伝わったのか正直わからない。

でもきっと大丈夫だろうな。

そう自信をもって思えるほどには、

子どもたちと信頼を積み重ね、

チームとしての日々を積み重ねてきた自信はある。

 

充実した一年だった。

束の間の充電期間を経て、

4月からまた新しい子どもたちと新しい一年が始まる。