小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

全力バカ。 77

前回、卒業生がうれしい報告をしてくれたという記事を書いた。

 

yamanyo.hatenablog.jp

 

その卒業生たちとの話の中で、話題になった過去の出来事があった。

 

クラスで行う「お楽しみ会」だ。

 

各学年、大体、学期の終わりなんかにやることが多い。

 

当時私が受け持っていたクラスでは、

学校行事や学年行事など、目標を設定して挑んだ大きな行事が終わると、

「打ち上げ」と称して、子どもたちで企画して行っていた。

 

そんなお楽しみ会といえば、

外では「ドッチボール」や「鬼ごっこ」、

中では「何でもバスケット」や「手品」「コント」などが、

定番中の定番だ。

当時のクラスの子どもたちもご多分に漏れず、

そんな感じのプログラムが多かった。

 

しかし、ある時から、お楽しみ会をするとなると、

必ず満場一致で入ってくるプログラムがあった。

 

 

「カラオケ」である。

 

 

きっかけは、修学旅行のバスの中だ。

バスレクで、カラオケをしたのだ。

それはそれは、大いに盛り上がった。

私も、仕事を忘れて(オイ。)死ぬほど楽しんだ。

このカラオケがよっぽど楽しかったんだろう。

修学旅行から帰ってきて作文を書いたとき、

数人が「カラオケが一番楽しかった!」と書いてきた。笑

 

そんなことがあって、子どもたちはあの時の興奮が忘れられない様子だった。

 

 

しかしながら、当然、学校にカラオケの機材なんてない。

みんなで、ビッグエコーに出かけていくなんてこともできない。

 

私は考えた。

 

 

「絶対に、最高の環境でみんなで盛り上がりたい!」

 

 

何としてでも、実現させてやる。

考えに考えて、思いは一つの形を描き始める。

 

 

「よし、これならいけるはずや!」

 

 

その日から校内での最高のカラオケ実現のために準備を始めた。

まず、子どもたちにアンケートを実施。

何の曲を歌いたいか。

可能な限りリストアップしてもらい、

その中から10曲ほどに絞った。

もちろん、全員が一人一曲は絶対歌えるラインを探りながら。

10曲が決まったら、家のパソコンを使って、

ユーチューブで10曲のMVを調べ、

そのMVをミュートにして録画した。(スクリーンショット)

それらを、ビデオ編集ソフトに取り込んで、

音楽を合わせ、

歌詞をテロップで入れた。

 

これで、手作りカラオケ映像の完成である。

 

そしてカラオケの舞台は、

どうせやるなら広いところで大音量で歌った方がいいでしょう!

ってことで、体育館を確保!

まず、体育館の遮光カーテンを全て閉める。

そして、体育館のフロアに体育で使うマットを敷きつめる。

パソコンとプロジェクター、拡声器を準備し、セッティング。

マイクもスタンドマイクと手持ちマイクの二つを用意。

そして、これらすべての準備が完了したら、

体育館の照明を全て落として、カラオケスタート。

 

体育館の舞台スクリーンにでかでかと映し出されるMV.

子どもたちは大興奮!!

私も大興奮!!

みんなで1時間丸々、のどがつぶれるぐらい歌った。

めっちゃ楽しかった。

子どもたちも大満足だったようだ。

 

 

 

 

ここに書いたことは、定められている教師の仕事ではない。

正直、こんなことをしなくても毎日なんて過ごしていける。

うまく言いくるめて、もっと楽で簡単に楽しめる方法もある。

 

でも、

 

うまく言えないけど、

 

こういうことってすごく大切だと思っている。

 

し、すごく大切にしたい。

 

し、大切だと思える自分でありたい。

 

豊かさって、別にやらなくても他のものでなんとかなる

ってものやことの中に案外隠されてるんじゃないだろうか。

一見はたから見れば「無駄」に見えることの中に、

「無駄」とは対極の光る何かがある。

昔から、そんな気がしてならない。

 

だから、バカにならなければいけないときには、

全力でバカになれる先生でいたい。

そしてそのバカを子どもたちと一緒になって、

心から楽しめる自分であり続けたい。

 

時にどうでもいいようなことに徹底的にこだわって、

バカがやりたくなる自分がいる。

「なんでそんなことするんですか 笑?」

ってあきれられたり、バカにされたり、

そんな目で見られることだってある。

 

でも、別にどうってことない。

だって、子どもたち、めちゃくちゃいい笑顔してるから。

そこにうそはないし、

この笑顔のために全力でバカやってるんだ。

 

近年、働き方改革が教育界にも様々な影響を与え始めている。

変わり始めている。

それも一方では、大事だ。

 

でも、本当に大事なことは何か、

いつだてビジョンは持っていなくちゃいけない。

何のための働き方改革か。

教師のため?

私は違うと思う。

子どものことに全力を尽くすことができる教師であるための

働き方改革だと思う。

 

経験を重ねるほどに、

遊びと仕事の境界があいまいに溶けて混ざってきている。

そんな感覚が嫌いじゃない。

 

これからも大事にしていきたい自分の教師としての考え方の一つだ。