続・あちゃあ 46
少し前に、うっかり子どもたちのサプライズらしきものに気づいてしまって、ヒヤッとしたという記事を書いた。
おそらく私の予想は的中している。
これで違うかったら、とんだ笑い者だ。
穴があったら迷わず入るだろう。
気づいていないフリをすると決めた私の気持ちは、ダイアモンドより硬い。
教室に入ったら、まずそっちを見ないようにする。
教室を見回すことなく、真っ直ぐ自分の席へ向かう。
席に着いてなんとなーく子どもたちを見る。
あれっ?
テスト隊形?
なんで?
…
あ、そうかそうか。
1時間目、テストって昨日ゆうてたもんな。
かしこいなあ、みんな。
感心しながら、テスト用紙を棚から出して、配ろうとした。
すると、
「もう…先生、いつになったら気づくんよぉ〜!!」
そんなことを言われた。
きっと、あの教室後ろの壁の掲示のことだろう。
知らんぷりをすると決めたあの掲示。
「先生、今何時〜??」
…
「なあ、今何時〜?」
めっちゃ、後ろの掲示見させようとするやん!!
それは、何!?
もう見てもいいの!?
まだこのクラス終わるまで1ヶ月あるけど!?
いいの!?今見ても。
しかし、そんな私の心配をよそに、
「はよ見てぇやぁ〜!!」
と急かす子どもたち。
しゃあないな。
ここまでゆわれたら、もう見るしかないやん。
見た後のリアクションを考える。
「うわっ、何あれ!?誰がいつあんなものを〜!?」
白々しい。
いくらおぼこいとはいえ、これではバレる。
しかし、相手も露骨に来ているのである。
バレるのは致し方ない。
観念して、後ろの掲示を見た。
にょん先生大好きどこにいってもがんばってね!
うう…。
みんな…。
先生、まだここにおるわー!!
うん、おるから!
まだね、異動するかどうかも定かじゃないの!!
というか、まずまだこのクラス終わってないの!!
クラスが終わる1ヶ月前に、先生を過去の人にするのやめてーーーー!!
まだ、いるから!!
ここにいるからー!!
♪あなたのこと、私は今でも思い続けているよ♪
青山テルマの気持ち、今なら少しはわかる!!
先生はあなたたちのことを思っているよ!
だから!
だから!!
私はまだここにいるよ!!
そんなことがあり、
見て見ぬフリをするより、状況が厳しくなった。