小学校教員にょんの日々ログ

毎日の出来事や考え、思ったことなどとにかくアウトプット!

充実 68

先日の日曜日は、朝からアクティブだった。

朝早く起きて、久々に休日出勤をした。

道徳・総合的な学習の時間・外国語活動の所見を終わらせ、

成績も現時点で出ているものを全て打ちこみ完了。

その他、細々とした雑事を片付け。

時計を見ると、2時過ぎ。

奥さんに車で迎えに来てもらい、そのまま梅田へ向かった。

目指す場所は、タワレコNU茶屋町店のイベントスペース。

この日、4時からインストアライブがあったのだ。

出演アーティストは、

 

新しい学校のリーダーズ

 

存在がツボで、しばらく前からかなりハマっている。

説明が難しいので、こちらを見ていただいた方が早い。

 


[はみ出しMV] 【学校行けやあ゛】 新しい学校のリーダーズ

 

この曲は、まだ音源としてリリースはされていないのだが、

個人的に一番好きなので。

 

初めて生で見た新しい学校のリーダーズは、しっかり「はみ出していた」。

ダンスキレッキレやった。

インストアなので、時間は30分ぐらいやったけど、

先日発売されたニューアルバム「若気ガイタル」

 から、何曲かやってくれた。

「恋ゲバ」って曲のサビの「ゲバ!」のとこで、

こぶし突き上げるの、タイミングめちゃむずかった。

見に来ていた人、大体タイミング合わせ切れてなかった(笑)

 

インストアが終わったら、NU茶屋町の向かいにあるロフトに行った。

ぶらぶらと特にあてもなく、ウィンドウショッピングをしていると、

5階?6階?あたりで、展示会がやっていた。

 

クリープハイプのすべ展~歌詞貸して 可視化して~」

 

そういえば、何かこれ宣伝を見たことあるぞ~!

ってことで、時間に余裕もあったので、見に行くことに。

おひとり様、500円。

受付で、特別配布していた「栞」という曲にちなんだ「栞」が

配布を終了していることを告げられた。

まあ、仕方あるまい。

 

展示会は、小さな部屋ごとに黒いカーテンで仕切られていて、

それぞれの部屋には、クリープハイプの楽曲の世界にちなんだ

演出がなされていた。

 

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いきなり社会の窓。まあ、のぞくよね。

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ピンサロの看板風歌詞

これ、おもろかったなあ。

イノチミジカシコイセヨオトメの歌詞。

そして、この部屋の正面の壁には、

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お店の女の子?

いやいや、無駄に巨乳で肌キレイ 笑

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海の家風

これは、「憂、燦々」の部屋。

アネッサのCMソングやったもんなー。

 

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愛の標識

この歌好きやー。

「一瞬我に返る 君がいない部屋に一人だった」

ってことが、昔あった。気がする。 笑

なんか切なくなるねんなあ、この曲。

自分の中のそういう部分とシンクロさせて聞いてるんやろうなあ。

 

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鏡越しに撮ると…

「寝癖」の歌詞。

「切ってもすぐに伸びてくるこの気持ちは」

って、こんな歌詞、どうやったら思いつくんやろう。

感嘆のため息が出る。

 

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尾﨑世界観わい!

こちらはFM802のアクセスキャンペーンソング「栞」のときの

コラボアーティストたちのスタジオショットの数々。

ちゃっかり大好きなあいみょんだけ写真に収めてきた。

 

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カラオケの個室風

色んなアーティストがクリープハイプの曲をカバーして歌ってる映像が流れてた。

個人的に一番好きなのは、

BiSHのアイナ・ジ・エンドが歌う「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」。

あの声は、唯一無二という意味で、世界観とリンクする。

「届け、変な声。」

 

そんなこんなで、入場料の500円分以上には楽しめた。

 

言い忘れたが、NU茶屋町の一階外では、

写真家・川島小鳥の展覧会

「そこになにがあるか知りたくて」も開催されていた。

入場無料。

それも見た。

モデルは、太賀・ヤオアイニンの二人。

もう二人が、かっこいいし、かわいいし、パねえ。

特に、ヤオアイニンちゃん。

かわいすぎる。

私の文章では、そのかわいさが1ミリも伝わらないので、

一枚だけ載せときます。

かわいさの破壊力のご注意ください。

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ヤオアイニン(左)、太賀(右)(当たり前や)

そんなこんなで、

朝から仕事がっつり片付けて、

好きな音楽を聴いて見て、

ステキな写真に触れて、

ステキな音楽の世界に浸って、

 

幸せな一日でした。

睡魔 67

この間の土曜日、奥さんと久々に滋賀竜王のアウトレットに行った。

「あそこ、最近あんまりいい服ないなあ。」

なんて、小生意気なことを言ってから、本当にしばらく来てなかった。

(大しておしゃれでもないド素人が偉そうにすいませんでした。)

アウトレットまでは、車で高速に乗って約1時間。

そんなに長時間の移動ではない。

 

…とはいえ、

 

…とはいえ、

 

眠くなるものは眠くなるのだ。

抗いがたい睡魔とは、厄介だ。

 

しかし、運転中。

眠ってしまっては、下手をすると、永遠に目覚めないかもしれない。

 

しかし、眠い。

「寝るな!眠くなんかない!」と自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、

不思議とまぶたが重くなってくる。

「押すなよ!押すなよ!」と前フリをするダチョウ倶楽部みたいに。

 

何とかせねば。

 

そんな時、睡魔に襲われる私に奥さんはいち早く気づく。

そして、あの手この手で対策を立て、すぐに実行してくれる。

 

「お茶飲む?」

 

ああ、ありがたい。

のどを潤すことで、この睡魔は少し奥へ引っ込むかもしれない。

 

グビグビ。

ああ、おいし。

やっぱりお茶ってホッとするなあ。

ホッとしたら、眠くなってきた。

 

あかぁぁぁぁぁん!!!!

 

睡魔、ぐんぐん前来てるやん!

お茶作戦、失敗。

しかし、へこたれているわけではない。

 

「ガム噛む?」

 

ああ、その方がいいかも。

パクッ。

ああ、ミントですっきり。

眠気も心なしか覚めてきた気がする。

モグモグモグ…ごっくん。

 

ごっくんて、おいぃぃぃぃぃぃ!!

 

味が薄くなったガム我慢できずに飲みこんでどうするねん!!

やる気あんのか!?

眠気に勝つ気あんのか!?

眠眠を打破しろよ、オレ!!

 

「窓開ける?」

 

外気の冷たさで頭すっきりね!

 

寒いぃぃぃぃぃぃぃ!!!

 

ずっととか無理さ!

ちょっとはいいけど、開けっ放しは無理無理!

春はまだ遠い。

これは、

「寒いよぉ、眠くなってきたよぉ…。」

「寝、寝るなぁ!寝たら死ぬぞ!」

ってなるやつや。

 

ここまで連戦連敗。

車内でできることなんて限られてる。

何かないか、何か…。

 

そうだ。

 

車内でかけていた音楽を、あいみょんに変えた。

 

熱唱。

 

気付いたら、あれだけ抗い難かった睡魔は、

どこかに吹っ飛んでいた。

 

 

中身のないことを、だらだらと書き続けてきて、

何が言いたいかと言うと、

つまり、

音楽は最高やなあってこと。

あいみょんは最高やなあってこと。

 

眠気には、アドレナリンが一番!!

評価とモチベーション 66

週末になると、飲みに行ったり、お出かけしたり、

どうもブログの更新が遅くなってしまう。

まあ、無理せず、マイペースマイペースと

自分に言い聞かせながら。

 

金曜日、職場の同僚(偶然高校も大学も同じ同級生!)と教頭先生と

三人で飲みに行った。

なかなかないメンツ、というか初めてこの三人で飲みに行った。

教頭先生の発案だ。

放課後、帰宅間際、教頭先生と駐車場でばったり出会い、

少し立ち話をしていると、

「にょんちゃん、ちょっと一回のみに行こかー!!」

とお誘いがあったので、二つ返事でオッケーした。

立ち話の中で、同僚のキリン(仮)の名前も出ていたので、

キリンも誘って三人でという話になった。

 

店は、教頭先生が予約してくれた。

めっちゃおしゃれなカウンターだけの店。

店内には、一組だけお客さん。

BGMもかからず、シンとしている。

まさに密談にもってこいの店である。

 

そう、この日は三人で密談をした。

普段、職場ではなかなか話せない

それぞれ今の職場をどう思っているのか、

どこが問題で、どうしていくべきか、

そんなことを本音でぶっちゃける。

そういう会だった。

 

予定時刻の10分前に、私とキリンが到着し、

予定時刻ちょうどに、教頭先生が到着した。

かくして、密談は始まった。

 

校務分掌のこと、学級のこと、学年のこと、

次年度の人事のこと、職員集団のこと、授業のこと…。

いろんな話をした。

話題によっては、意見の食い違いでヒートアップする場面もあった。

 

密談中、キリンが憤りを爆発させる場面が何度かあった。

爆発と言っても、静かな店内なので、

大声を出したりというわけではないが、

語気は強くなった。

 

その一つに、評価育成システムのことがあった。

評価育成システムとは、教育界において悪名高きシステムとして有名だ。

教職員の能力や業績で、SS~Cまでのランク付けをし、

そのランクに合わせて、給料が増減するシステムだ。

 

キリンは今年度の自分がまっとうに評価されていない、

と憤っていた。

隣のクラスがしんどい状況の中、学年を見ながらのフォロー。

様々な場面で気苦労は絶えない。

また、この一年授業力の向上にフォーカスして

仕事に取り組んできたとも言っていた。

それなのに、管理職が授業を見に来たためしがない、と。

評価結果に文句を言って言るのではなくて、

きちんと見てもらった上での評価なら納得できるけど、

それがなされていないと。

ざっくり言えばそんな感じだ。

 

確かになあ。

そうだよなあ。

でも、それって、今の学校教育もそうじゃないか?

果たして、担任一人で、30人前後いる学級全員の子どもたちの評価を

100%きっちりとつけられているのか、と。

もちろん、そのつもりでやっている。

きちんと評価して、説明責任も果たせる手立てを打っている。

まあ、そもそも「評価」というもの自体、

これからの世の中を生きていく子どもたちにふさわしいのか疑問だけど。

管理職二人で、職員全員をきっちりと評価できるのか。

難しいんじゃないだろうか。

自分が同じ立場で、きちんと職員を評価できるか。

んー、自信ないなあ。

でも、もし自分だったら、こうするかなというロールモデルはいる。

 

初任校で3年間お世話になって、

今も自分の師匠と(勝手に)思っている校長先生がいた。

その先生は、校長時代、

しょっちゅう、教室をのぞきに来た。

廊下を掃除するふりをして、

スーッと教室に入ってきて、授業を見学していった。

ときには、子どものふりして質問をぶつけてきたり。

最初は、「うわー、めっちゃ緊張するし、嫌やなあ。」

と思っていた。

でも、授業後、休み時間や放課後に、校長先生と会うと、

「今日の授業の~の場面、あれ、どういう意図で発問したん?」

とか、

「今日の国語の授業のワーク、わかりやすかったなあ。」

とか

「クラスの〇〇君がつぶやいたの、あそこで拾って正解やったなあ。」

とか、ほぼ毎日言ってくれた。

それが、すごくうれしかったし、

自分で自分の授業を振り返るいい機会になっていた。

その都度、フィードバックしてくれていたのだ。

 

それからというもの、

校長先生に見に来てもらうのが、むしろ楽しみになった。

そして、自分から「次〇〇の授業なんですが、見に来てもらえませんか?」

なんて言うようになっていった。

「見てもらえている」という安心感、「期待されている」という喜び、

そうしたものが仕事の一つのモチベーションになっていた。

 

話は、三人での密談に戻る。

キリンの話を聴きながら、そんなことを考えていた。

と、ここまでは、評価する側のことについて考えていたことだ。

「評価」よりも日常的な「フィードバック」を。

これは、校長先生との出会いで気付かせてもらったことで、

自分のクラスでも「評価」より、ある意味、

機を逃さないその都度その都度の「フィードバック」を大切にしている。

子どもたちは、目に見えてモチベーションを上げ、

自分たちの頑張りにさらにエンジンをかけて

成長していくと確信しているからだ。

 

一方、評価される側のことについては、

キリンと少し意見が違う。

まっとうに評価されないことに関しては、

そりゃあまっとうに評価されるに越したことはない。

そこは同意見だ。

でも、違うのはその先だ。

キリンは言った。

「だから、モチベーションだだ下がりで、やる気ないっすよ。」

 

私は、個人的に評価がまったく気にならない。

…というか、誤解を恐れずに言うなら、どうでもいい。

評価が低ければ、

まっとうに評価してもらえていないと感じたなら、

 

他の追随を許さないぐらい成長してやろう、

圧倒的なまでの成果を出してやろう、

誰がなんと言おうと、にょんさんはもうどうあがいても評価せざるを得ない、

そんな風に思わせるぐらい伸びてやろう、

そう思う。

 

相手を変えるのは難しいけど、

自分は変えられる。

自分が変わると、世界は違って見える。

子どもたちにもいつも言う言葉だが、

全ては自分次第。

何でも成長の糧にしてやるぐらいの、

貪欲さをいつも持っていたい。

 

キリンはとても優秀な男だ。

周りへの気遣いも抜群だし、

物事を俯瞰してみるのに長けていて、

物おじせず、自分の意見をどんな場でも

しっかり言うことができる。

私にはないものばかりで尊敬している。

 

だから、お互いこれからも切磋琢磨して、

職場を、教育を良くしていきたい。

 

気持ちで十分です。65

休み時間、ある男子が私のところへやってきた。

 

「先生、肩叩いてあげるわ。」

 

優しい子だ。

別に肩が凝っていたわけではないが、

「ありがとう。」と言って、されるがままにしていた。

 

「うわ~っ、めっちゃ気持ちいいわあ!!」

 

ちょっと大げさなぐらい気持ちいいアピールをした。

すると、

ヘヘヘと笑いながら、さらに張り切って肩を叩く男子。

 

休み時間だから、遊びに行けばいいのに、

せっせと私の肩を叩いている。

かわいい子だ…

 

ん?

 

叩く手増えてない?

 

何だか肩を叩く手のリズムが倍のスピードになったように感じたのだ。

ダ ダ ダ ダ

だったのが、

ダダダダダダダダ

って感じで。

 

ふり返ると、やっぱり増えていた。

肩を叩く男子は二人になっていた。

 

「オレも叩いてあげるわ、先生!」

 

「あああ、ええわあ。気持ちいい~!!」

 

「じゃあ、オレも叩くーっ!」

「んじゃ、オレもー!!」

「オレも叩く叩くー!!」

「先生、オレも叩いたげるわー!!」

 

増えに増えたり肩叩きボーイたち。

その数、7人。

 

もはや肩叩きのレベルを遥かに超えていた。

 

低周波治療器か。

シックスパッドか。

普通に「ワレワレハウチュウジンダ」ができるわ。

 

面白がって私の肩を叩きまくる男子たち。

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ…

 

 

 

って、今ね、丸つけ中!!!

 

この揺れやとね、何か先生アル中みたいに手が震えてね、

丸がきれいにえがけないの!!

だから、うん、気持ちはうれしい。

ありがとう!

 

でもね、もうやめてくれるかな?

 

そう言って、

 

「お~ま~え~ら~…」

 

と振り返ると、蜘蛛の子を散らすように退散する男子たち。

 

 

かわいいやつらよのお。

あの日に立つ。 64

今日は私にとってエモい一日だった。

今年度発行を続けてきた学級通信が323号になる。

以前、300号達成について記事に書いた。

 

yamanyo.hatenablog.jp

 

教員生活1、2年目。

職場の先輩からは、「学級通信は出した方がいいよ!」と言われていた。

だから、言われた通り、出すことにした。

しかし、何を書けばいいのかわからない。

どう書けばいいのかわからない。

そんな状態で、自己紹介から始まる学級通信を

半ば見切り発車のような勢いで発行し始めた。

そんな学級通信がうまくいくわけもなく、

第1号発行後、日々の仕事に追われていたこともあり、

約2か月、発行できず。

保護者から電話があり、

「先生、学級通信って出されてます?」

と半分クレームのような連絡をもらったこともあった。

 

そんな中、3年目のちょうど今頃、

大学時代、毎日のようにつるんでいた先輩と久しぶりに飲みに行った。

先輩も小学校の教員をしていた。

仕事帰りに合流した先輩と二人で飲み始めた。

話題は自然と、互いの仕事の話に。

そんなとき、先輩がおもむろに自分のリュックの中から

タウンページのようなかたまりを出してきた。

それは、先輩が、その年に発行した学級通信の束だった。

少し回りかけていた酔いも吹き飛んだ。

 

なんじゃこりゃあ!

松田優作もびっくりである。

ページを適当にめくって、中を見る。

どの号も先輩の得意なイラスト入りで、

とてもわかりやすく、面白かった。

 

大学時代、一緒にバカをやっていた先輩。

久々に会ったとはいえ、そんな大学時代の感覚のままいた私。

でも、先輩はそこにはいなかった。

何だか一人置いてけぼりを食らったような気になった。

ただただ圧倒された。

めくったページごとに、横でうれしそうに補足説明をしてくれる先輩は、

とても、とても楽しそうだった。

 

それに比べて自分はどうだ。

出すと宣言した学級通信が年間10枚にも到達していない。

恥ずかしい。情けない。

 

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、先輩は確かに、言った。

 

「にょん、一回だまされたと思って、とりあえず100号出してみ。

 出してみたら、見えるものがあるから。」

 

この先輩がそこまで言うなら…。

 私は、学級通信を100号出してやる!と決意をした。

 

そして、翌年の4月から意識を変えた。

絶対に書く。下手でも書く。

 

そう決めてしまえば、

人間ってそれを達成するために動き始める生き物のようだ。

その年、決意に違わず、年間発行数100号を超えた。

 

人生で初めて100号を超えて発行してみて、確かに見えたものがあった。

 

それは、子どもたちの顔だった。

 

発行する前よりも明らかに子どもたちがよく見えるようになっていた。

それは、前よりも明らかに子どもたちをよく見るようになったからだった。

 

よく観察しないと、書くことに困る。

でも、観察をすれば、書くことはいくらでも見つかった。

そして、書いたら、必ず子どもたちから反応があった。

だから書くことが楽しくなった。

 

あれから10年。

今では、書くことに困るどころか、

書くことがありすぎて、追い付かない日々だ。

 

でも、あの時の先輩がたたき出した323号というバケモノのような号数には、

とてもじゃないが、たどり着けそうになかった。

わかっている。

号数が全てじゃない。

でも、先輩に憧れて、始めた学級通信。

だから、一度は、先輩と同じ景色が見てみたかった。

 

そして、今日。

323号発行。

あの日に立てた。

あの日の先輩と肩を並べることができた。

さすがに感慨深い。エモい。

でも、同時に自分が思い知らされる事実。

今日の私は、10年前の先輩だ。

この境地に、先輩は10年も前にすでに立っていたんだ。

まるでアキレスとカメのよう。

 

でも、やってやれないことはないんだ。

そして、ここからは、先輩すら経験していない領域。

どこまでいけるか。

最後の一日まで、自分のペースで続けるだけだ。

やることはいつだってシンプルだ。

 

今日のことは、先輩にもLINEをした。

先輩は「未知の領域へ行ってらっしゃい」と送り出してくれた。

 

ゴールしてみて、見えたのは、次のコースだった。

まさに人生だなあと思う。

誠実に、謙虚に、一生懸命。

続けよう。ただ続けよう。

次にふり返った時、どんな景色が見えるのか。

テーマをください。 63

さっき家に帰ってきた。

駐車場に車を止めて、家までの数十秒。

奥さんに声をかけた。

 

「なあ、ブログの今日のお題、なんかくれへん?」

 

考えるのがめんどくさかった。

なぜなら、お腹がいっぱいだったから。

 

手首の不調により、最近車通勤をしている。

そんなこともあり、今日は帰りに奥さんを迎えに行き、

拾ってその足で買い物に行き、帰りに王将でご飯を食べて帰ったのだ。

 

私の胃袋はすっからかんだった。

要するに、腹ペコだ。

人って、なんで空腹のとき、自分の胃袋のキャパシティを見誤って、

むちゃくちゃ頼んでしまうんでしょうか?(え、そんなことはない?)

食べに食べました。

 

ラーメン+天津炒飯+餃子+肉と卵炒め…

 

炭水化物ばっかり!!

炭水化物のエレクトリカルパレードや!!(彦摩呂でも言わんわ)

 

そんなわけで、満腹になった私は、

ブログに書くことを決めるのが億劫だったのだ。

 

私の問いかけに奥さんは、少し逡巡した後、

いたずらっぽい笑みを浮かべた。

 

「お題?ん~、あ!これはどう?」

 

私は、言葉の続きを待った。

 

 

「『今日のお題なんかくれへん?』はどう?」

 

あー。

おそらく奥さんも私と一緒だったんだろう。

お腹いっぱいで考えるのが面倒だったのだ。

そんなことを言うと、全然違うし!と言って怒りだしもしそうだが、

図星だと思う。

でなければ、考えても思いつかなかったんだろう。

 

その後、私がなんだかがっかりした顔をしているようにでも見えたのだろうか。

慌てて取り繕うように、別のお題を提案してくれた。

 

「あっ、それやったらさ、さっきの王将のバイトの女の子はどう?

 バイト入りたてっぽかった女の子!」

 

しかし、私は、その提案を丁重にお断りした。

お題は出されたのだから。

賽は投げられたのだから。

武士に二言はない。(ちなみに、私も奥さんも武士ではない)

 

というわけで、今に至る。

 

今日のお題は「今日のお題くれへん?」である。

何だろう、この入れ子構造のような、鏡合わせのようなお題は。

さながら、マトリョーシカのようである。

 

家について、まず風呂に入った。

そして、考えた。

そうしていると、閃いた。

いや、うそです。

絞りだした。

このお題でも記事が書けることを証明したい。

あんたの旦那はできる男なんだと!

 

私は、帰り際、奥さんからお題を出してもらった。

そのお題は、口頭で聞いた。

そう、私はここに着目した。

聞いただけ。つまり、音として聞いただけなのだ。

 

「きょうのおだいくれへん」という音を。

 

どこで切ろうが文句は言われないはずだ。

だって口頭だったもん(屁理屈ですね)!

 

というわけで、「おだいくれへん」とパソコンに打ち込んで、

予測変換候補を見てみた。

すると、私の読み通り、へんてこな予測変換候補が姿を現した。

さすが、大阪弁。ノットオフィシャルジャパニーズ。

 

 

 

「尾田育れへん」

 

 

 

 

なるほど。

 

状況は大体わかった。

 

つまり、こういうことだろう。

 

 

 

にょんは、小学校の教員をしている。

経験年数も十年を超え、職場ではすっかりベテラン扱いである。

ある日、にょんは、同僚のわんこ(仮名)と放課後に話していた。

にょ「いやあ、今日もあかんかった。」

わん「どうした?なんかやらかしたん?」

にょ「いや、おれがやらかしたというより、あいつにやらかされた。」

わん「あいつって…ああ、尾田?」

にょ「そう。何か話し合いで自分の意見通らんかったのが気に食わんかったんやろうなあ。多数決で負けたら、急に暴れだして、その辺のもの投げまくってさ。」

わん「あちゃー。まじか。それで、だれもけがなかったん?」

にょ「うん、それは、不幸中の幸いで。でも、もうあいつ持って一年経とうとしてるけど、なかなかやなあ。」

わん「そっかあ。経験13年目のにょんでも、尾田育れへん…か。」

 

説明しよう。

「育れへん」とは、教育関係者の間でのスラングのようなもので、

「育てられない」の省略形である。

誰が言い出したのか定かではないが、

にょんが新任で採用された初任校で、

すでに先輩がこのスラングを使っていたことからも、

ずいぶん前から使い古されてきた言葉なのだろう。

 

 

 

 

…。

何や、これ。

無理やりにもほどがある。

ひどいなあ。

びっくりするほどの、中身のなさ。

「育れへん」とかゆうたことないわ。

んじゃ、なにか。

めちゃくちゃ育てることできたら、

「めっちゃ育ってる」とかゆうんか。

それ、一文字違いで、

「めっちゃイキッてる」と勘違いされる可能性極めて高い。

やめてた方がいい。

なんだかお下品。(誰が考えた)

 

というまさかの予測変換に逃げるというお粗末。

 

こんなことなら、普通に自分でお題考えた方が堅実やった。

 

もう二度としないでおこう。

 

封印。

トイレの電球。 62

数日前、トイレの電球がキレた(擬人化)

いや、切れた。

昼間に切れたから、すぐに困るなんてことはない。

けど、このまま時間が過ぎて、夜が来れば、まあ、困る。

暗闇で用を足す。

自分の家で。

ドアを閉めれば、本当に真っ暗だ。

お尻、ちゃんとふけるかな…。

いや、それは、できる。

はず。

35年連れ添ってきたこの体、

その感覚には自信がないはずもない。

いや、なかったらおかしいよね。

一体これまでの人生で何回お尻を拭いてきたことか。

尻拭いをしてもらったこともあるけど(うまないわ)。

 

いや、でも、万に一つでも、

ティッシュをお尻に持っていく手が、ずれてしまったら…。

最悪の事態である。

それだけは避けたい。

 

やはり確実性を求めるなら、電球は必須。

何のことはない。

ちょっと出かけたついでに買って帰ってくればいいだけだ。

 

 

 

 

…出かけたのに、買って帰れなかった…。

電球のサイズ分からんかった。

チェックしてから出かけるの忘れたあああ。

 

 

 

というわけで、暗闇トイレット。

…になるところ、奥さんが気を利かせて、懐中電灯を用意してくれた。

ナイスアイデア

左手に懐中電灯、右手にティッシュ

こうすれば、鬼に金棒、お尻に懐中電灯。

 

いやいや、冷静になろう。

左手の懐中電灯で、どこをどう照らすねん。

ティッシュを巻き取る時…うん、役に立つ。

お尻拭く時…そこや、そこ!!

このタイミングでどこを照らせば、スムーズに事を終えれるねん。

股の間から照らして、右手は後ろから回して拭く?

いや、照らしてる意味ないやん!

じゃあ、ラジオ体操の要領で、

左手も体の前を右側に横切って、

右手の後を追う感じで照らす?

いや、それも意味ないやん!

くそ!!(え、かけた?)

この先の見えない(暗闇だけに?)トイレ、

どうすれば、希望の光が差すんだ!!(暗闇だけに?)

 

ふと、トイレの隅を見ると、予備のトイレットペーパーが視界に入った。

真ん中には、穴 like a ちくわ。

 

 

 

!!!

 

 

 

閃いた!!!

 

 

私は、そっと予備のトイレットペーパーの穴に、

懐中電灯を差し込んだ。

 

 

すっぽり。

 

 

ジャストフィット来たあああああああ!!!!

 

ほんのり照らされる天井。

薄暗いが、周りを認識するには十分だった。

 

私は、無事に用を足して、トイレを出ることに成功した。

 

 

全身を安堵感が包んだ。

 

そして、思った。

 

 

 

 

 

電球、はよ買いに行こ。